ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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無計画のツケ

バイトからの帰り、コンビニで
買い物をしていると、
ばったり、サヨちゃんと遭遇。
サヨちゃんは、“すずたん”こと
俺の大家さんが所有する
女子寮に住んでいる女子大生。
“すずたん”ちでのバーベキュー以来だ。

「あれ?サヨちゃん?久しぶり~」

「あら、ぺらいちさん」

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サヨちゃんは、ふ菓子の袋を二つ手に取って
買い物カゴに入れる。

「ふ菓子、好きなんだ?」

「ええ」

サヨちゃん、やっぱ変わってるなぁ・・・
カラオケの選曲だって、かなり渋かったし。
たしか『銀座の恋の物語』だったっけ?

そういえば、タクマは、
もうサヨちゃんを歌舞伎に
誘ったんだろうか?
俺は、さりげなく探りを入れてみる。

「でも、やっぱりサヨちゃんって
 古風なモノが似合うよね」

「そうでしょうか?」

「え~絶対そうでしょ~!
 例えば、歌舞伎とかさ」

「歌舞伎は、好きではありませんね」

・・・・・・・え?!!!!

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「マジで?」

「ええ、むしろ嫌いです」

「えぇぇぇぇ!そんなに?!!
 え?だって、日本舞踊とか、
 やってたんだよね?」

「やっていたと言うより、
 やらされていた、と
 言った方が正しいですね」

「へ?」

「もう、嫌で嫌で仕方がなかったんですが、
 やらないと、母がうるさくて。
 東京の大学に出てきたのも、
 日本舞踊を辞めたかったからです」

「へ、へぇ~~そうなんだ~」

・・・やばいっ!!!

なんか勝手にサヨちゃんのこと、
古風なもの好き=歌舞伎好き
って、思い込んでた。
しまった・・・・

この感じだと、タクマはまだ
サヨちゃんを誘っていなかったのか・・・?

でも、1人2万円もするチケットは、
もう予約したって言ってたし、
タクマは、それ買うために
深夜の派遣バイトまでしてたのに・・・
チケットのキャンセルとかって、
できんのか???

俺はサヨちゃんと別れた後、
急いでタクマに電話をかける。

くそっ、出ない・・・
今日も派遣のバイトか?
タクマーーー!!やべぇことになったよぉぉぉ!!!

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