いきなりお漏らし
この前、タクマとサヨちゃんのカップルが、
ゲンに会いに来た。
俺は、サヨちゃんのいない隙に、
タクマにこっそり、話しかける。
「そういえば、タクマ。
サヨちゃんとは、うまくいってんの?」
「誰に聞いてんの?俺だよ?
どんな女もイチコロだって」
相変わらず、すごい自信・・・。
「じゃぁ、もうキスもしたんだ?」
「え?それは・・・まぁ」
タクマは、モゴモゴしながら、
話をウヤムヤにして、トイレに立つ。
「ゲンさんのお具合は、どうですか?」
サヨちゃんが、すずたんに質問している。
「う~ん、まぁ、ちょっとずつだけど、
元気には、なってるかなぁ。
でも、最近、よく座布団にお漏らしするんだよ・・・
もしかしたら認知症もきてんのかもしれない」
え・・・ゲンは、今まで、
外でしかオシッコせんかったのに・・・
すると、廊下からタクマの叫ぶ声が聞こえる。
「あ~~~!!ゲン!!ダメだって!!!」
俺たちが向かうと、
廊下には、大きな水たまりが。
オロオロするタクマ。
「なんか、ゲンが廊下で、
オシッコしだして・・・!
え?どうしたらいいの?コレ?ねぇ?」
「タクマさん、通してください」
すると、タオルを持ったサヨちゃんが、
ゲンを拭き始める。
「え?!あ・・・、素手で?」
「大丈夫ですよ。洗えば済むんですから」
サヨちゃんは、動揺しているタクマを前に、
手際よく、廊下のオシッコも、
雑巾でふき取っていく。
あれ・・・
こう言っちゃなんだけど意外・・・
「昔から、乗馬をやっておりましたので、
わたくし、こういう事には
慣れておりますので・・・」
乗馬・・・さすがお嬢様・・・。
「ほら!タクマさんは、
この汚れたタオルと雑巾を
お風呂場に持っていってください。
わたくしは、ゲンさんを洗いますので」
サヨちゃんは、タクマにテキパキと
指示を出している。
「はい!!」
あちゃー、タクマ・・・
あんなにエラそーに言っといて、
完全に尻に敷かれてんじゃん・・・。
「ほら!ぺらいちさん!
突っ立ってないで、
新しいタオルを持ってきてください!」
「は~い・・・」
あちゃー、こっちにも、とばっちりが・・・