糸
夏前から、急に体調を崩したゲン。
長いこと、お気に入りの座布団の上に
寝転がって動かなかったのが、
最近は、体調は大分落ち着いてきて、
逆に、認知症も手伝って、四六時中、
家の中を歩き回るように。
でも、トイレも分からなくなったみたいで、
よく部屋の中でも、
ウンチやオシッコを漏らすように・・・。
そこで、俺や、マルオ、
タクマ、サヨちゃん、ヒロセで
交代で、ゲンのお世話や、部屋の掃除を
させてもらうことに決めた。
その代わり、“すずたん“は、
いつも、俺たちのために、
すき焼きや焼き肉を
用意してくれているけど・・・
一体、どっちがお世話されてんだか・・・
「いや~、有難いけど、
こんな年寄り2匹なんて
ほっといていいんだよ~?
私が君らくらい年は、毎晩遊びまくってたよ?
若いうちは、遊ばないとぉ~ハハハ!」
“すずたん“は、
俺たちに気を使わせないように、
そうやって無理に明るく振る舞ってるけど、
内心、不安と心配で、いっぱいなんだろうな・・・。
それに、実は、
俺は、こうやって、夜な夜な
みんなで集まれて、なんだか嬉しい。
カラオケ大会の時の“すずたん応援団”ならぬ
“ゲン応援団”だ。
ゲンには、早く元気になって欲しいし、
前みたいに走り回れないのは寂しいけど・・・
ゲンがまた、みんなを
繋げてくれたような気がするんだよな。