ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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キスを拒む理由

“すずたん”が、町内会の会合とやらに
夕方から出かけると言うので、その間の
お留守番と、ゲンの散歩を頼まれた。

俺は、せっかくなので大学生のタクマを誘って
お留守番をすることに。

「ゲン~おいで~」

タクマが両手を広げてゲンを呼ぶが、
タクマのことは、不慣れなのか
ゲンは、あんまり近づきたがらず、
フンッと鼻を鳴らして、どこかに行ってしまう。

「あれ~?おかしいな」

「まぁ、ゲンは、基本マルオ以外の
 男には、あんまり興味ないからな~・・・」

「うわっ!なにそれ!チャラ!」

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お前が言うなよ・・・
まぁ、ゲンは散歩に行きたくなったら
合図するから、とりあえず放っておこう・・・

「そういえばさ・・・」

俺は、タクマの顔を見る。

「キスできた?」

タクマに会うと、必ずそれを聞くのが
最近の俺のルーティーンになっている。

「いんや・・・」

タクマは、不服そうに首を振っている。
でも、あのタクマが、あのチャラいタクマが、
サヨちゃんと付き合ってもう、
半月以上も経つのにキスもしてない・・・
それが、なんだか可笑しいような
可愛いような気がして
つい、からかってしまう・・・

「拒否られるんだよ~
 どうしたらいいかなぁ~~?」

「え?ってか、サヨちゃん、
 なんて言ってたんだっけ?」

「結婚するまで、キスできないって・・・」

「・・・うーん、なんでなんだろう?
 貞操観念みたいなこと?」

「俺もさ、そう聞いたんだけど、
 なんか、それとは違うみたいで・・・
 口と口を触れ合わせる意味が分からない
 ・・・って」

「いや・・・え?意味???
 そう言われるとな・・・
 もしかして潔癖なのか?」

「それも聞いたんだけど、違うんだって。」

「え~?・・・そうなんだ」

「うん。女子寮の部屋も
 けっこう汚いんだって・・・」

「じゃぁ、潔癖ではないのか・・・」

うーん、聞けば聞くほど、深まる謎だ・・・

「もしかしてさ・・・お前のこと
 好きじゃないんじゃないのぉ?」

「え~!!ちょ、
 そんな絶望的な事、言わないでよ~!!」

「ハハ!ジョーダンだよ!」

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それにしても、何でだろう?