ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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続・恋愛相談

バイトの休憩中、
俺とヒロセはタクマを囲む。
この前のバーベキューでも
タクマはサヨちゃんを
執拗にデートに誘っていたらしい。

「映画に誘ったんだけどさ・・・」

タクマは、うつむいた表情で話し出す。

「おっ、ええじゃん。で?」

「『あまり、興味がありません』って・・・」

「ギャハハハハ!
 まさかタクマがフラれるとは~」

ヒロセは大笑いしている。

うーん、なんとかしてあげたいけど、
確かにその返答では、
今後も厳しい感じはする・・・
別にサヨちゃんじゃなくても、
タクマくらいイケメンなら
引く手あまただろうに・・・

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「でも、難しい相手ほど、
 燃えるんだよね!!」

タクマは、笑っている。
コイツ・・・すげぇな。

「いやー、でもそれは、もうムリやで。
 正直。あきらめや」

ヒロセは、吐き捨てる様に言うが、
タクマは折れない。

「ねぇ、どうしたら
 デート行ってくれんのかな~?」

マジで、コイツのメンタルすげぇわ・・・。

「とにかく、サヨちゃんって
 普通じゃないけぇ、

 普通の攻め方じゃダメじゃろ」

俺が言うと、タクマもうなずく。

「そうなんだよね~」

「じゃぁ、どうする言うねん?」とヒロセ。

「うーん・・・」

俺たちは、サヨちゃんを思い浮かべて、
シュミレーションしてみるけど、
なかなか良い打開策が浮かばん・・・

すると、親が金持ちの大学生
カサハラが通りかかる。

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「何の話?」

こうなったら、色んな人に
意見を聞くしかない。
俺たちは、今までの経緯をカサハラに話す。

「あー、そういうことね。
 まぁ、俺ならザギンのオシャレな
 レストラン連れてくね」

ザギン・・・
高そう・・・

「アホ!俺らは、
 お前みたいに金、
 持ってへんから!」

すぐさまヒロセのツッコミが飛ぶ。

「え~~?!だったら、例えば・・・
 その子、日本舞踊やってるんでしょ?
 だったら、歌舞伎に誘うとか?」

なるほど・・・歌舞伎か。
それは、思いつかんかった。

「歌舞伎??」

ヒロセも驚いている。

歌舞伎って、行ったことないけど、
いくら位すんだろう・・・

「まぁ、最低でも8000円くらい??」

カサハラは、シレッと言う。

「高ぇな!」

「高ぇよ!」

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フリーターの俺とヒロセは、口を揃えて言ってしまう。

「いやいや、恋に金、
 惜しんでちゃダメでしょ。

 やっぱ金がない男に魅力ないっしょ」

ドキッ・・・・
やっぱり??

でも、タクマも、母子家庭で、
家にお金入れてるって言ってたし
俺と同じで、そんなに
余裕ないんだろうしなぁ。

「よし!俺、休憩なんか
 してられないわ!働こ働こ!!」

タクマは息巻いている。

よし、俺も働こ・・・