続・恋愛相談
バイトの休憩中、
俺とヒロセはタクマを囲む。
この前のバーベキューでも
タクマはサヨちゃんを
執拗にデートに誘っていたらしい。
「映画に誘ったんだけどさ・・・」
タクマは、うつむいた表情で話し出す。
「おっ、ええじゃん。で?」
「『あまり、興味がありません』って・・・」
「ギャハハハハ!
まさかタクマがフラれるとは~」
ヒロセは大笑いしている。
うーん、なんとかしてあげたいけど、
確かにその返答では、
今後も厳しい感じはする・・・
別にサヨちゃんじゃなくても、
タクマくらいイケメンなら
引く手あまただろうに・・・
「でも、難しい相手ほど、
燃えるんだよね!!」
タクマは、笑っている。
コイツ・・・すげぇな。
「いやー、でもそれは、もうムリやで。
正直。あきらめや」
ヒロセは、吐き捨てる様に言うが、
タクマは折れない。
「ねぇ、どうしたら
デート行ってくれんのかな~?」
マジで、コイツのメンタルすげぇわ・・・。
「とにかく、サヨちゃんって
普通じゃないけぇ、
普通の攻め方じゃダメじゃろ」
俺が言うと、タクマもうなずく。
「そうなんだよね~」
「じゃぁ、どうする言うねん?」とヒロセ。
「うーん・・・」
俺たちは、サヨちゃんを思い浮かべて、
シュミレーションしてみるけど、
なかなか良い打開策が浮かばん・・・
すると、親が金持ちの大学生
カサハラが通りかかる。
「何の話?」
こうなったら、色んな人に
意見を聞くしかない。
俺たちは、今までの経緯をカサハラに話す。
「あー、そういうことね。
まぁ、俺ならザギンのオシャレな
レストラン連れてくね」
ザギン・・・
高そう・・・
「アホ!俺らは、
お前みたいに金、
持ってへんから!」
すぐさまヒロセのツッコミが飛ぶ。
「え~~?!だったら、例えば・・・
その子、日本舞踊やってるんでしょ?
だったら、歌舞伎に誘うとか?」
なるほど・・・歌舞伎か。
それは、思いつかんかった。
「歌舞伎??」
ヒロセも驚いている。
歌舞伎って、行ったことないけど、
いくら位すんだろう・・・
「まぁ、最低でも8000円くらい??」
カサハラは、シレッと言う。
「高ぇな!」
「高ぇよ!」
フリーターの俺とヒロセは、口を揃えて言ってしまう。
「いやいや、恋に金、
惜しんでちゃダメでしょ。
やっぱ金がない男に魅力ないっしょ」
ドキッ・・・・
やっぱり??
でも、タクマも、母子家庭で、
家にお金入れてるって言ってたし
俺と同じで、そんなに
余裕ないんだろうしなぁ。
「よし!俺、休憩なんか
してられないわ!働こ働こ!!」
タクマは息巻いている。
よし、俺も働こ・・・