返信が来たらしいです
バイトの休憩中、ヒロセとマルオがスマホの
ゲームをしている。
「マルオ、なんか面白いアプリあらへんの?」
ヒロセはイスを並べて寝転がっている。
「う~ん、無いのぉ~・・・」
マルオも退屈そうだ。
「あ~、もうスマホのゲームも
飽きてしもたなぁ・・・」
確かに、なーんか、最近つまんない。
決して楽しくないわけじゃないんだけど。
すると、タクマが休憩室に走ってくる。
「キタ―――!返信キタ―――!!」
「え?サヨちゃんから?」
「うん!」
「え?なんてなんて?」
デートに誘ったのに、
ずっと既読スルーされていた
サヨちゃんからのLINEがやっと来たらしい。
俺たちは、タクマのスマホをかぶりつくようにして見る。
『今度また、“すずたん”さんちで、
お会いできたら良いですね』
「・・・え?・・・これだけ?」
「うん」
やはり・・・サヨちゃん、強敵だ・・・
「“すずたん”ちって、
もはやデートちゃうやん・・・」
ヒロセは苦笑しながら言う。
「俺は、“すずたん”ちでも何でも
サヨちゃんと会えればいい!!」
タクマは語気を強める。
「でも“すずたん”ち、ずいぶん行ってへんなぁ」
確かに、カラオケ大会以降、
どことなく、ちょっと
行きにくい雰囲気がある。
用事もないのに行っても、図々しい気がするし。
「なんかタイミングないっていうかね・・・」
俺がそう言うと、マルオが呟く。
「ゲンにも会いたいのぉ・・・」
・・・そうか、その手があったか。
「じゃぁさ、みんなで、
ゲンに会いに行くってのは?!」
俺の提案にみんなも賛同する。
「ええやん、それ」
「ヤッター!ゲンに会えるぅぅ~~~」
すると、タクマは、
すぐさまLINEを打っている。
「よし!!じゃぁ、
サヨちゃんにLINE送ってみるわ!」
「でも、アイツ、また
既読スルーされんのとちゃうの?」
ヒロセはニヤニヤしている。
「キタ―――!返信キタ―――!!」
「え?!返信はやっ!!!」
サヨちゃんも、
“すずたん”ちに行きたかったんだな。