恋愛相談
昨日は、バイトが終わった後、タクマの誘いで
ヒロセと三人で飲むことに。
「お疲れさーん!!」
「打ち上げ楽しかったな~~!!」
ヒロセは、そう言うと、
ビールジョッキを一気に飲み干す。
「プハー!!」
「おまえ、あんま飲みすぎんなよ!
この前、大変だったんじゃけぇ!」
そう。ヒロセは、
打ち上げで酔っ払いすぎて、
道行く人に、暴言を吐くわ、
笑いながら道路わきの生垣に
突っ込むわで、大変だった・・・
「え?」
「え?って、お前、覚えとらんのん?」
「全然・・・」
ヒロセは、面目無さそうに苦笑いしている。
「マジか!めちゃくちゃ
ベラベラ喋りよったけど・・・?」
「うん、完全無意識やわ・・・
あ・・・でも、そういえば
あの後、家帰ったら、なんや知らんけど
服に穴、空いてボッロボロやったな・・・」
「ハハハ!!いや!だからそれ、
生垣に突っ込んだからじゃって!!
なぁ!タクマ!」
「ん?・・・あぁ」
横のタクマを見ると、
珍しく浮かない顔をしている。
「あれ?どした?・・・タクマ?」
「いや、ちょっと相談したいことがあって・・・」
「おう!そんな顔して珍しいな~!
なんやなんや?」
ヒロセは、なぜか嬉しそうだ・・・。
「実は・・・ここんとこずっと
サヨちゃんにLINE送っても
返信こないんだよね・・・」
「え?マジで?何て送ってん?」
「いや、ただ、『今度2人でデート行こう』
って誘っただけなんだけど・・・」
「あーー!既読スルーってやつやな?」
「うん・・・まぁ、今までも
『承知しました』とか、ほとんど
事務的な返事しか来なかったけど・・・」
「あ~そりゃ、アカン奴やぁ~アカンアカン」
やっぱりヒロセ、楽しんでる???
「だよねぇ~・・・
俺、なんか嫌われるようなこと
しちゃったのかな~~?」
恋愛マスター(自称)のタクマを
ここまで悩ませるとは、
恐るべしサヨちゃん・・・
「もう告っちゃえば?たぶん、
サヨちゃん、色々気づいてないと思うよ」
俺が言うと、タクマも頷く。
「いや、俺も、もうそろそろ、
そのつもりだったんだけど・・・
全然、手ごたえがなくてさ・・・」
なんか分かる気がする・・・
サヨちゃん相当、
変わってるからな・・・
「ま!そりゃ、あきらめた方がええな!
残念やけど脈ナシやわ。
でも、タクマみたいな
イケメンでもスルーされんねや~~
男は顔じゃないってことやな!ハハハ!!!」
ヒロセはニコニコ顔で言う。
人の不幸は蜜の味ってか・・・。
ま、その気持ちも
分からんでもないけど・・・。