ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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家族になろうよ

急に体調を崩した柴犬のゲン。
ひとまず、震えも止まり、
ご飯も少しずつ食べれるようになった。
(相変わらず、病院でタダでもらった
不味いドッグフードしか食べんけど)
でも、まだ、座布団に突っ伏している時間は長く、
時たま、震えも起きる。

「震えとる・・・大丈夫かのぉ?ゲン・・・」

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マルオは、ここんとこ、
ほとんど毎日“すずたん”ちに来ている。

「まぁ、言っても、ゲンも、
 もう年だからな~。
 私が先か、ゲンが先かって
 感じだろうなぁ~ハハハ」

“すずたん”が、笑いながら言うと、
マルオは、泣きそうになっている。

「そんなぁ~・・・
 やめてくださいよぉ~・・・」

「ハハハ!冗談だよ~!」

なんとか回復傾向にあるが、
冗談抜きに、俺も一時は、もしかして、
このままゲンは、死んじゃうんじゃないか・・・
って思ったくらい心配した。
不思議なことに、
目が虚ろなゲンを見ていると、
なんだか本当の兄弟が倒れて
しまったような気持ちにさえなった。

そんな風に、ゲンを心配してくれるのは、
マルオや俺だけではなく、
この1週間ほどの間は、
ヒロセや、タクマとサヨちゃんも、
入れ替わり立ち代わり、
ゲンの見舞いに来てくれた。

ゲンって、ホント愛されてるんだなぁ・・・

でも、よく考えてみると、
ゲンの様子を心配して見に来てくれるのも、
“すずたん”を町内の老人会
カラオケ大会で優勝させるため、
みんなで必死に応援した
“すずたん応援部”のメンバーだ。

あの大会から、はや3か月くらい経つけど、
あの時の楽しい思い出や、
熱い気持ちは、今でも思い出せる。

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みんなで、毎日のように
“すずたん”ちに集まって、
ワイワイ喋りながら飯食って、
一緒にカラオケ練習して、
どうやったら“すずたん”が
カッコよく見えるかを
あーだこーだ言い合ったり・・・
まるで、家族みたいな感じだった。

・・・そうか・・・家族。

最近では、あの時のように、みんなで
頻繁には集まれないけど・・・
いつの間にか、自分の中で
“すずたん”やコイツら、
そしてゲンのことを、
家族のように思うように
なってたのかもしれない。

まさか、東京に1人出てきて、
自分の大家さん、
バイトの大学生たちとのことを
家族のように思うなんて・・・

なんかちょっと、
こっ恥ずかしい気もするけど・・・
幸せなことかもしれないな。