ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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なんでだろう?

「きみたち・・・」

一昨日は、“すずたん”にサプライズで
白スーツをプレゼント。

「“すずたん”!これ着て、
 カラオケ大会頑張ってください!!!」

「絶対優勝じゃぁ~!」

「ありがとう・・・」

“すずたん”の目は、
心なしか潤んでいるように見える。

「ちょっと着てみてくださいよ!」

「え?いいの?」

「もちろん!」

“すずたん”は、隣の部屋に行き、しばらくして戻ってくる。

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「どうかな?」

「オ――――!!!!」

「かっちょええです!!!」

「よくお似合いです!!」

「な!な!やっぱ白スーツやろ?!!な!」

ヒロセは、やたらとドヤっている。

「みんな、ありがとう!
 サイズもぴったり・・・
 良く、分かったね」

すると、みんなが俺の方を見て、
ニヤニヤしている。
みんなの様子を見た“すずたん”は
キョトンとしていたが、俺の顔を見た途端
思い出したのか、大声を出す。

「・・・あ!!!あの時!!
 そういうこと!!???」

「はい・・・」

そう、俺は“すずたん”の体のサイズを知るため、
1週間ほど前に、さりげなく“すずたん”に
あれやこれやと、質問していたのだ。

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「全然気づかなかったよ~・・・」

「ハハハ!やるじゃん!ぺらいっち!」

タクマは俺の肩をパンと叩く。

すると、“すずたん”は、改めて、
みんなの顔を見回している。

「でも・・・みんな、
 こんな老いぼれジジイのために、

 なんで、こんなに良くしてくれるの?」

「え?そりゃぁ・・・」

あれ・・改めて聞かれると、何でだろう・・・?

「えー?なんでっスかね?」

「うーん、なんでじゃろぉ?」

タクマもマルオも首を傾げている。

「そんなん簡単やん!
 “すずたん”が好きやからやろ~」
とヒロセ。

いや・・・まぁそれは、そうなんだけど。

「わたくしも、ココに来て、
 “すずたん”さんや、
 みなさんと会うと、癒されます」

サヨちゃん・・・

「俺もだなぁ、毎日、大学、
 バイトの繰り返しだったからさ。
 ま、俺の場合は、あんまり学校行ってないけど。
 サークルって言っても飲み会ばっかだし・・・」

タクマも・・・。

「ワシも!広島から、こっち来てから、
 友達そんな、できんかったけぇ・・・
 ここで“すずたん”と
 ゲンに会うのが楽しみなんよ」

マルオも、しみじみ言っている。

そうか・・・

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みんな、色んな不安や
孤独を抱えてるのかもしれないな・・・
俺だけじゃなく。

こうやって、“すずたん”に会って、話したり、
応援したりすることで、俺らの方が
知らず知らず救われてるんだな、きっと・・・

すると、“すずたん”は照れ隠しのように
大声でみんなに呼びかける。

「よーし!じゃぁ、とりあえず、
 今日は飲むか!!!」

「いいですね!」

「よーし、今日は、
 とっておきの赤ワイン出しちゃうよ!

 いいのがあるんだコレが」

白スーツに赤ワイン・・・
嫌な予感しかしない。

「“すずたん”赤ワインは、さすがにあかんで~」

「とりあえず!スーツ脱ぎましょう!!!」

「あ、そうだね・・・!」

“すずたん”が着替え終わると、
俺たちは、それぞれグラスを持つ。

「じゃぁ、“すずたん”の
 大会での成功を願って・・・

 かんぱーい!!!」

 

「かんぱーい!!」

 

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