ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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デュエットの部に・・・

“すずたんのカラオケ大会”は、来週の日曜日。

本番に向けて、衣装の白スーツも注文したし、
あとは、“すずたん”の練習あるのみ!
この1週間が勝負!!!
今日も、“すずたん応援部”全員で
“すずたん”ちに集まった。

「あとはなぁ、振付やな!!!
 もっと、こうサビのとこは、

 コブシをきかせるように!」

そう言うのはヒロセ。

「え?こう?」

「ちゃうちゃう!もっと脇を締めへんと!」

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この振付っていうのが結構クセモノ。
俺が役者やってた頃も、セリフを言う時の
ちょっとした動きっていうのが、
一番難しかった。
俺も、元役者として、ここは黙っとれん。

「いや、それは違うじゃろ!
これは演歌じゃないんじゃけ!」

「せやけど、こんくらい
 動きないとオモロないやろ!」

「そりゃぁ全く動かんのも変じゃけど、
 もっと自然に動かんにゃ!」

「なんやて~?」

コイツ・・・分からず屋め・・・

「マルオは?どう思う?」

「・・・はい?!ワシは・・・
 ええと思います!!」

「いや、どっちが?」

マルオを見ると、ゲンとじゃれ合ってる・・・

「よーしよしよし!分かった!分かったけ!」

・・・コイツ、聞いてなかったな。

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「っていうかお前、
 犬嫌いじゃなかったんかい!」

「いやぁ~、なんか・・・
 ちょっとカワイくなってきたんよ」

マルオは照れくさそうに笑っている。

ハァ・・・どいつもこいつも!

「まぁまぁ、ちょっと休憩しよう」

“すずたん”・・・。

「“すずた~ん”!!これパンフレット??」

タクマが、机に置いてあった紙を拾い上げる。

「そうだよ」

「え?これデュエットの部ってあるけどー」

「うん、デュエットもあるよ。
 それは、年齢問わず
参加できるやつ。
 まぁ親子とか孫と出るとかが多いけどね~」

「え、俺、出ようかな~!」

タクマの突然の参加表明。

「え?誰と?」

「そりゃぁ、もちろん・・・!
 ねぇ、出ようよ!サヨちゃん!!」

「え・・・いえ、わたくしは・・・」

「いいじゃーん!お願い!!」

タクマは、熱心にサヨちゃんを誘っている。

「おねがーい!俺となら絶対優勝できるって!
 選曲は任せるからさ~!」

最初渋っていたサヨちゃんも、
タクマの熱意に負けたのか
しばらく考えた後、首を縦に振る。

「それなら・・・承知しました」

「え?マジ?ヤッター!!!
 なに歌う?なに歌う?」

「では・・・『銀座の恋の物語』で」

「・・・・・・・・え?誰の歌?」

「え?ご存じないんですか?
 石原裕次郎と牧村旬子」

「・・・いや~知らない」

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困惑したタクマは“すずたん”に助けを求める。

「“すずたん”知ってる?」

「いや、まぁ聞いたことはあるけど・・・
 若いのに、よく知ってるねサヨちゃん」

「わたくしの祖母が、よく歌っておりまして」

サヨちゃん・・・
どんだけ古い曲知ってるんだ?
でも、タクマ・・・フフフ。
この選曲はさすがに、予想外だったろう・・・

「・・・よし!!!じゃぁ、練習するよ!!!
 え~と、なんだっけ?銀座の・・・?」

「『銀座の恋の物語』でございます」

「分かった!!!」

これは面白くなってきた・・・