スーツが届いた!
ついに昨日、
俺が、ひそかに(?)
“すずたんのサイズを測って、
注文した純白のスーツが届いた!
昨日の夜は、“すずたん”ちで、
白スーツのお披露目会。
“すずたん”をビックリさせて喜ばせたい!
そのため、事前に、いつものガストに全員集合して
プランを立てる。
「ぺらいちさん、今日は誰が行くって
“すずたん”に言っとるんですか?」
とマルオ。
「いや、特に・・・」
「じゃぁ!!いつの間にか、
みんながおるって言うのが
ええんじゃないんかのぉ」
「うん!ええねそれ!!!
でも、どうやって?」
「まずは、ぺらいちさんとワシが先に行って・・・」
「ふむふむ・・・」
数十分、話し合った結果、プランは固まった。
「よし!!その作戦で行こう!!!」
そうして、俺とマルオがまず
“すずたん”ちに向かい、
サヨちゃんと、タクマとヒロセは
近くのコンビニで待機する。
「こんばんは~」
「おっ、今日は2人?」
「そうなんです~他は来れなくて・・・」
「そっかぁ~」
すると、マルオは、頃合いを見て、
ゲンのところへ行く。
「おっ、ゲン―!散歩行きたいんか?」
計画では、マルオがゲンの散歩を口実に
“すずたん”を連れ出す予定だが・・・
「あ、じゃぁマルオ君、
散歩連れて行ってくれる?」
え・・・
「いや~ワシちょっと
散歩コースとか分からんけぇ・・・
“すずたん”も、一緒に来てくれんかのぉ・・・」
「いや~そんなのテキトーでいいんだよ~」
「え・・・」
マルオは、助けを求めるような目で俺を見てくる。
「あれ?マルオ“すずたん”に進路の事で
相談したいことがあるって言いよったよねぇ?」
「あ、そうそう!!!」
マルオも俺の咄嗟のアドリブに合わせる。
「え?相談?私で役に立つかなぁ?」
「いやいや、もう“すずたん”じゃないと
相談できん事なんよ。お願いできんかねぇ?」
「う~ん。分かった。じゃぁちょっと
散歩行ってくるから、オノ君留守番しててね」
「はい!!!じゃぁ行ってらっしゃい」
よしよし。
なんとかこれで、“すずたん”を
連れ出すことに成功。
マルオにはなるべく、長く散歩してもらうよう
言ってあるけど、どうなるか分からないから
急がないと。
『OK、入ってきて』
俺は、外で待っている3人に連絡を入れる。
入ってきた3人と入れ替わりで
自分の家からプレゼントの白のスーツを
取ってくる。
「じゃぁ・・・これを机に置いて・・・」
計画通り、俺は白スーツをリビングの机に置く。
「よし、じゃぁブレーカー落とすよ」
そして、俺たちは
それぞれの場所に身を隠す。
俺は階段。
タクマは、台所の机の下。
ヒロセはトイレ。
サヨちゃんは、お風呂場。
よし、準備はOKだ。
あとは、マルオと“すずたん”が帰ってくるのを待つのみ。
暗闇と静寂の中、緊張が走る・・・。
ガチャ。
二人が帰ってきた!
「あれ?暗いよ?」
戸惑う“すずたん”をマルオがリビングに誘導する。
「“すずたん”こっちじゃ」
「え?え?・・・見えない見えない」
そう、ゆっくりゆっくり・・・
2人がリビングに入ったところで、
俺は、ブレーカーを上げる。
「わぁっ!なにコレ!!白の・・スーツ?!!」
「そう、ワシらからの~~~」
そのマルオの掛け声を合図に、
俺たちは家の方々から登場する。
『サプラ~イズ!!!!』
「えっっ!!!!」
“すずたん”は、驚きの声をあげ、固まっている。
「きみたち・・・」
“すずたん”は、それから何も言わず、
代わる代わる俺たちの顔を見ていた・・・。