ゲンコツ親父
「ぺらいち、さん、おはようござ、ます」
カサハラの様子がなんか変だ。
よく見ると、カサハラの唇が切れて、
ちょっと腫れている。
「どしたん?その口」
「いや、、、ちょっと、
親父に、殴られて」
「親父に?!」
どうやらカサハラは、サークルの新年会で、
酔い潰れ、路上で寝ていたらしい。
そして目が覚めた時には、
お金も免許証もクレジットカードも
財布ごと盗まれてて・・・
そのことが親父にバレて、
『バカ野郎!』と、ストレートが
一発飛んで来たのだそうだ・・・。
まぁ、調子に乗って飲んだ
カサハラも悪いけど・・・
グーで殴るぅぅ??
今時、そんなゲンコツ親父がいるなんて。
「え?・・いや、うちは結構、
殴り合い、ますよ」
「ええええ?!!親父を殴り返すの?!」
「え?殴りますよ。兄貴と一緒に」
「・・・すげぇな」
「でもこれが、殴り合った後、
すぐ飲みに誘ってくるんすよ」
「親父が?」
「はい。まぁ、今回は、俺が、
悪いんで、俺から誘いましたけどね」
なんか激しい家族関係だな・・・
拳で語り合うなんて、北斗の拳かよ。
でもちょっと羨ましいな・・・
俺は親父とは昔から
あんまり話さなかったし、
殴られるどころか
めちゃめちゃ厳しく叱られた記憶も
あまりない。
その分、お互い何を考えてるのかも、
よく分からなかった。
それでも、今では、
このブログを通じて
少しずつ話すようになったり、
長い長いLINEが
送られてくるようになったりして、
親父の愛情や優しさも
分かっているつもりではいる・・・
でも、カサハラとゲンコツ親父のような
見るからに暑苦しい関係って、
最近じゃ、絶滅してきたから
ちょっと憧れたりもするんだよなぁ・・・
もちろん暴力はイヤだけど。