やっぱり見た目が大事！

この前見た、“すずたん”の
去年のカラオケ大会の模様・・・

選曲（『また逢う日まで』尾崎紀世彦）は、
まぁいいとして・・・
あの赤に黄色のアロハシャツは・・・
“すずたん”一人で決めたのかな？

今年は衣装もちゃんと選ばないと。
かといって、何がいいのか分からない。

そこで、“すずたん応援部”のLINEで
呼び掛け、家の近くのガストに
集まってもらった。
オシャレなタクマは、
ファッションセンスありそうだし、
役者のヒロセは舞台映えする
衣装が分かるだろうし、
サヨちゃんには貴重な女子の意見が聞けるし、
マルオは・・・

俺は、みんなに去年の映像を見たこと、
衣装が派手なアロハシャツ
だったことを伝える。

「・・・というわけでね。
　どうしたらいいと思う？？」

「衣装でございますか・・・」

そういつものように畏まっているのはサヨちゃん。

「あれ？審査基準に衣装って
　入っとるんでしたっけ？」とマルオ。

「そりゃぁ、入るやろ」
ヒロセは、当然だと
言わんばかりに腕を組んでいる。

「人は見た目が9割って言うからね～
　まぁ、大事だよね～」

そう言うのは、自他ともに
認めるイケメンタクマ。

「う～～ん・・・
　何がええんですかねぇ？」

みんなでしばらく考えていると、
ヒロセがいきなり手を上げる。

「ハイ！！！
　やっぱインパクトやろ～！
　ラメ入りスーツ！！！」

ラメ入りスーツかぁ・・・
確かに目立つだろうけど・・・

すると、サヨちゃんが
スッと綺麗に右手を上げる。

「はい」

すると、タクマがサヨちゃんに発言を促す。

「どうぞ」

いや、自由に発言していいのに・・・。

「やはり、わたくしは、変に飾るよりも
　シンプルな衣装が一番、かと。」

それにタクマもすぐに呼応する。

「いいね！さすがサヨちゃん。
　ジーンズにシャツとかね！」

「そうでございますね。
　あ、あとサスペンダーとかは
　いかがでしょう？」

「うん！！・・・サ、サスペンダー？？？」

サヨちゃんのとんちんかんな提案に
さすがのタクマも困惑している。

すると、マルオがゆっくり手を上げる。

「・・・はい」

だから、別に
挙手しなくてもいいって・・・

「どうぞ」

いつの間にか、タクマも
進行役みたいになってるし・・・。

マルオはスマホを開き、
youtubeを見せる。

「やっぱり、実際の松山千春の
　着てる服がええんじゃないんですか？」

「ほぉ・・・」

「なるほどね」

「やるやんマルオ！」

みんなで動画を見て見ると、
松山千春は、やたらと
白い服を着ていることが
多いことが判明。
（ただ単に、俺らが見た動画だけかも
　しれんけど・・・）

「この白いタートルネックの
　セーターでいいじゃん」

とタクマ。

「白じゃったら、ジャケットでも
　ええんじゃないかのぉ。
　ちょい悪な感じで」

とマルオ。

「いや、この白いスーツ！！
　やっぱインパクト大事やろ！
　白スーツ！！！」

ヒロセは、インパクトしか
求めていないようだ。

うーん、白か・・・
どれも捨てがたい・・・
でも、もう2時間近く話してるけど、
中々意見がまとまらない・・・

「では、実際に“すずたん”さんに
　白の色んな衣装を着て頂いて
　決めるのはいかがでしょう？」

とサヨちゃん。

確かに、それがいいかもしれない。
結局、後日、改めて
“すずたん”に試着してもらって衣装を
決めることに。

すると、タクマが手を上げる。

「ハイ！！」

だから・・・

「じゃぁさ、衣装決まったら、
　俺らでさ、“すずたん”にプレゼントしない？
　いつも、すずたんに
　オゴってもらいっぱなしだからさ」

確かに・・・
タクマって、そういうとこ、
ちゃんと気づくよな。
気遣いができるというか。

イケメンなだけじゃない・・・
こういう気遣いができるから
モテるんだろうな、実際・・・。

「賛成！！」

「えーやん！それ！！」

「そりゃ、“すずたん”喜ぶじゃろうなぁ～」

「わたくしも、良いと思います」

「じゃぁ、後日、“すずたん”に試着してもらって、
　プレゼントしよう！！！！！！」

「オ――――！！！」

おーし！
やっと、みんなの意見がまとまった！

まぁ、色しか決まってないけど・・・