ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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こんなに好かれるなんて・・・

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今日は、去年のカラオケ大会のDVDを
見させてもらいに、
マルオと一緒に、“すずたん”ちへ。

すずたんちへ向かう途中、
マルオは口数少なく、なぜか緊張しているようだ。

「あれ?お前、すずたんち初めてじゃないじゃろ?」

「あ、はい・・・」

「え?なんで緊張しとん?」

「いや、緊張しとる・・・っていうか・・・」

まぁ、いいか。
今日は、去年のカラオケ大会の映像を見て、
色々参考にせんと!

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ピンポーン。

『オノです』

『おっ、いらっしゃい~  
 ワンワン!!!!』

珍しいな。インターホンの後ろでゲンが吠えてる。

ガチャ。

ドアを開けると、ゲンが
吠えながらフローリングを
ツルツルと滑りながら、走り込んでくる。

ワンワン!!!

「ひぃぃぃっ!!!」

その瞬間、マルオが俺の後ろに隠れる。

「どしたん???」

「・・・こわい・・・」

「はぁ???怖い???でも、
 この前、来た時は平気だったんじゃろ?」

「いや・・・実は、
 必死に逃げとったんです・・・」

ワンワン!!!

「ひぃぃぃぃっ!」

「・・・そんなに??!!」

「いや、ワシ動物全般無理なんじゃ・・・」

マルオはずっと俺の後ろに隠れながら、
ゲンを遠ざけながら、部屋に入っていく。

「どうしたのマルオ君」

“すずたん”は、俺の後ろに
隠れるマルオを見て
不思議そうに見ている。

「なんかコイツ、ゲンが怖いらしいです」

「え?そうなの?」

「いや~ワシ、動物がちょっと無理で・・・
 特に犬は・・・

 昔、咬まれてから・・・」

「大丈夫大丈夫、コイツは咬まないから」

“すずたん”は、ゲンを抱っこし、
別の部屋に連れて行く。

「よし、じゃぁ見ようか~」

こたつのテーブルには、
“すずたん”が用意してくれた
赤ワインと山盛りの枝豆が。

「“すずたん”、このセット好きですよね~」

「いや~これはもう、私のルーティーンだから。
 ま、遠慮せずにどうぞ~」

「ヤッター!いただきま~す!」

俺とマルオは、ワインを一口飲み、
枝豆をつまむ。

ん~!!!!枝豆のほどよい塩味~
赤ワインと枝豆って、正直合うのか?
って思ったけど意外とイケる!

去年のカラオケ大会の映像が
流れ始めると、3人で、
テレビ画面を見つめる。

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まず、会場が、結構
ちゃんとしたホールでびっくり。
公民館の一室とかでやるのかと思ってた・・・

トップバッターから、演歌を中心に
歌っている。
着物を着ていたり、
タキシードを着ていたり、
みんな服装もちゃんと選んでる・・・

「次は私だね」

「おっ!!きたきた!え・・・・・」

そこには、派手な
アロハシャツを着た“すずたん”が。
すずたんは、尾崎紀世彦の
「また逢う日まで」を熱唱している。

♪2人でドアを閉めてぇ~
2人で名前消してぇ~
その時心はぁ~何かを話すだろぉ~~う

うん・・・“すずたん”の当日の服装は、
みんなでちゃんと選ばないとな・・・。

「ひぃぃぃぃぃっ!」

突如、マルオが叫び声をあげる。

「え??!!どした?」

隣の部屋に連れていかれたはずのゲンが
いつの間にかマルオの隣で
鼻をクンクンしている。

「うわぁぁ~~な、なんで・・・?」

すると、ゲンは突然、
マルオに抱きつかんばかりに迫っている。

「うわぁあぁ~助けてくれぇぇ~~!!」

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「ゲンはマルオ君が相当好きみたいだね~」

「そんなぁ~~~~・・・・」

マルオは、ついにあきらめたのか
ゲンにされるがままに。

「ほら、触ってみいや~」

俺がけしかけると、
マルオは震える手で、
恐る恐るゲンに手を近づける。

「え・・・え・・・」

すると、ゲンは
マルオの手にスリスリと擦り寄っていく。

「え?・・・ワシ・・・好かれとる??」

理由は、よく分からないが、
普段、人見知りのゲンがここまでなるなんて、
相当気に入られたみたいだ。