ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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ビブラートぉぉぉぉぉぉぉ

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いやぁ~昨日は、
一晩中、腹式呼吸でス―ハーしすぎて、
なんだか腹筋が筋肉痛になってしまった・・・
(これって、やり方間違えてんのかな?)

でも、今日も“すずたん“ちへGO!
ここ最近は、バイトが終わって、
そのまま大家さん家に行き、
朝まで過ごして、そのままバイトに行くと
いうことも多くなった。
家が隣にあるのに・・・

“すずたん“の家に着くと、
家の中から、すでに
“すずたん”の歌声が聞こえる。

♪めぇ~ぐぅ~るぅ~めぐる季節ぅ~の中でぇ~

おっ、やってるやってる。

「こんばんは~」

「おう、オノくんお疲れ~
 早速だけど、ちょっと
 聞いてもらってもいい?」

「もちろんですよ!
 そのために来たんですから!」

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♪めぇ~ぐ~るぅ~めぐる季節の中でぇ~

うんうん、悪くはないけど・・・
何かが足りない・・・

「ノビかな・・・」

「ノビ?」

「はい、るぅぅ~~~~のとことか、
 でぇ~~~~のとこを
 伸ばす感じが足りないような・・・」

「るぅ~~って感じ?」

「うーん、ちょっと違うなぁ・・・
 るぅぅぅぅ~~~~~~っゴホゴホっ」

やべ・・・花粉症のせいで、
俺も上手く声が出ない。

「るぅぅ~~うっっっっ」

“すずたん”もやってはみるけど、
難しいようだ。
松山千春のキーって、ただでさえ
めちゃ高いから、その高音で伸ばすのって
結構しんどいんだよな・・・

ピンポーン

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俺らが悪戦苦闘していると、
ヒロセが合流してくる。

「るぅぅ~うっっっ~~~・・・」

「るぅぅ~~~ゴホッゴホッ」

「二人とも、なにやってん?」

「いや、るぅ~~のとこ伸ばしたいんだけど、
 上手くできんくて」

「しゃーないなぁ~、
 俺のカラオケ小技集教えたろか~」

「小技集?」

「せや!ビブラートやりたいねやろ?」

「そうそう!それそれ!!」

ヒロセ曰く、るぅぅぅううううう~~と
母音を強めに意識すると、
ビブラートが上手くできるらしい。

「るぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~
 あ、ホントだ!出来た!」

さすがヒロセ。
一人カラオケ行きまくってるだけある・・・

「あとは、“こぶし”かな~、
 あと“しゃくれ“とか”フォール“やな~」

「ちょちょちょっと、分けわかんねぇ・・・・」

「でも、ヒロセくん、
 “こぶし”って言ったら
 演歌みたいになっちゃわない?」

ヒロセは、ドヤ顔で、
人差し指を左右に振っている。

「チっチッチ。分かってへんなぁ~
 これだから素人は。
 普通のポップスでも
 “こぶし”は結構使うねんで。
 ビブラートと違って、瞬間的に
 音を上下させるんや」

「へ~~」

「ま、“季節の中で”では、
 使わへんけどな」

「なんじゃいっ」

知識ひけらかしたいだけかい。
ま、なんにしろ、
歌うって結構、奥が深いんだな。

 

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