イカしたグループ名
バイトの休憩中、
今日もヒロセとタクマとともに
会議が開かれた。
「次のカラオケの練習いつやねん?」
「明日行くって言ってたかな。
ヒロセ、おまえ来れる?やっぱ
腹式はお前が一番使えるからな~」
「オッケ。でも、
ちょっと遅うなるで。タクマは?」
「俺はサヨちゃんがいるならいつでも~」
まーだ、言ってるよ。
「サヨちゃん来れんの?
タクマ聞いてみてよ」
「いいけど、サヨちゃん
返信遅いんだよね~」
「お前、嫌われてんじゃないの~?」
「なわけ!」
相変わらず、すごい自信・・・
「でもじゃぁ、予定が合わせづらいな・・・
マルオも今日おらんし」
すると、ヒロセが何か思いついたのか
いきなり立ち上がる。
「せや!!!このプロジェクトの
グループLINEつくろうや!!!」
「グループLINE??」
「せや!なんか個別に連絡すんの面倒やし、
また、前みたいに俺だけハブにされたら
かなわんから、な!」
ヒロセはキッと俺を睨む。
・・・だから、ハブになんか
してないって・・・。
「よーし、みんな招待したで!
グループ名は何にしよか~?
なんかイカしたヤツがええなぁ~。
ぺらいっち!一応年上なんだから
なんかエエのないの?」
「おい。一応、年上って・・・。
えっと・・・じゃぁ
『大家さん応援部』とか?」
「・・・う~ん、微妙やな」
「・・・うん、微妙~~」
えぇ~、シンプルでいいと思うけどな。
「タクマなんかエエのある?」
「ん~じゃぁ、『SGS』ってのは?」
「なんやソレ、完全に
AKBみたいなノリやん。
せやけど、何の頭文字やねん」
「そりゃもちろん、
『サヨちゃん(S)が(G)好きだ(S)』」
コイツは・・・ホントにブレない・・・。
「却下!グループLINEを私物化すな!」
「え~~~!いいじゃん!
じゃぁ、ヒロセ他になんか
いい案あんの?」
「あるで!!!」
「あるの?」
「あるで!13個くらいあるで!」
「ウソつけ!!!」
「ウソちゃうわ!」
「じゅあ、一つ目は?」
「ん?一つ目は・・・『カラオケ部!』」
「却下!普通!!ダサい!!センスない!!!」
こりゃ、ヒロセの残り12個も知れてるな・・・
「はぁ~?何言うてんねん!
『SGS』より2万倍マシや!!!」
2人は、ああでもないこうでもないと
言いながら話し合うが中々決まらない。
「ねぇ・・・もうなんか、
グループ名とかなんでもよくね?」
「せやな~~」
「うん、もういいよ『大家さん応援部』とかで」
「う~ん、ほな『大家さん応援部』で」
「良かったね。ぺらいっちのやつ採用で!」
クソ・・・なんか喜べん・・・。