ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

    f:id:peraichikun:20190105020429j:plain f:id:peraichikun:20190105020439j:plain

なんでそんなに行きたいの?

f:id:peraichikun:20190105020429j:plain f:id:peraichikun:20190105020439j:plain

「じゃぁ、オノ君も、
 休憩行っていいよ~」

「は~い・・・」

やっとか・・・
店長のこの言葉を
どれだけ待ち望んだか・・・

フゥ・・・
病み上がりはやっぱりキツイ・・・

f:id:peraichikun:20190223115455j:plain


休憩室に入ると、先に
休憩していたヒロセと
タクマが話している。

「え~~~~?!
 大家さんとこ行ったん?!!

 なんで・・・
 なんで誘ってくれへんねん!!!」

「あ~、そういえばこの前、
 ヒロセいなかったね~」

「いなかったね~!ちゃうやろ!!」

ヒロセがタクマに
向かって叫んでいる。
そして、矛先は俺の方にも・・・

「なんや!!ぺらいっち!!!
 この前も俺に黙って、みんなで
 カラオケに行ったらしいやないか!!」

「いや・・・この前は
 たまたま集まっただけで・・・」

「なにぃ~~~?!俺だけ
 のけモンかいな・・・」

ヒロセはがっくりうなだれている。

「いや、そんなに行きたかったなんて
知らんかったから・・・」

「行きたいに決まってるやろ!!」

「そうなんじゃ・・・」

「いやさ・・・なんや
 あの大家さんと会うと
 癒されるいうか・・・」

すると、タクマもそれに同調する。

「分かるわぁ~、大家さん、
 俺らの話めっちゃ
 ウンウン聞いてくれるし」

「せやねんな!!」

f:id:peraichikun:20190223115434j:plain


まぁな~・・・俺も
バイトでめっちゃ疲れた後でも、
あそこに行くもんな~
みんな、なんだかんだで
大家さんに惹かれてるんだな。

「それに、かわいい
 サヨちゃんもいるし~」

ハァ・・・コイツは例外か。

「お前は、サヨちゃんさえおれば、
 ええんじゃろ?」

「え~?!!もしかして
 妬いてんのぉ~~??
 自分がモテないからって~~」

「なにぃぃ?」

「大人げな~い、もう30過ぎでしょ~?」

コイツ・・・
俺は、だんだんイライラしてきて、
自然と語気が強まる。

「うっさいバカ。
 お前もいずれそうなるんじゃ!」

「は?バカ?
 あ、サヨちゃんも言ってたよ~
 オノさん、おっさんだって!!」

ハァ???
こうなると、もう止まらない。

「は?あんなブスから
 どう思われようが
 どうでもええし!」

「はいはい。そんなこと言ってるから、
 ぺらいっちはその年まで
 彼女いないんじゃない?」

「は?余計なお世話じゃ!
 おまえは、女とイチャついとけ!
 でも、もう大家さんとこには来んなよ!
 迷惑じゃけ!」

「いや、全然、あんなとこ、
 行きたくもないね~!
 じゃっ!俺はサヨちゃんと2人で
 仲良くやりますわ~~」

「勝手にやってろ!」

f:id:peraichikun:20190223115427j:plain


タクマは、手を振りながら、
休憩室を出て行く。
残された俺とヒロセ。

くそっ、腹が立つ・・・

「あーあ。やってもうたな・・・」

「ええよ!あんな奴!」

「あ・・・俺も、もう休憩終わりや」

休憩室から出て行こうとしたヒロセが
ボソッとつぶやく。

「まぁ・・・分からんでもないけどな・・・」

「は?なにが?!」

「いや、実は、アイツ親父おらんらしいからな」

「・・・・・・知っとるよ」

そうか・・・
タクマは大家さんのこと・・・

・・・俺はクソだな。