ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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ジブリは人生を見つめ直すチャンス?

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昨日、大家さんの
カラオケ大会の選曲も決まり、
(あのあと、結局1時間かかった・・・)
今日から、また特訓の日々。

俺が大家さんの家に着いた時には、
大家さんと、タクマと、
俺が少し苦手なサヨちゃんが
コタツを囲んでいる。
サヨちゃんもいつの間にか、
大家さんの家に集まる常連だ。

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タクマは、
二ッと笑って手を上げている。

「ぺらいっち~!
 なんでLINE無視すんの~?!」

「え?あ、なんか送ってた?」

「送ったよー!即レス基本っしょー!」

「即レス?」

「返信ナイから、待てなくて、
 ここに来ちゃったよ!
 そしたら、もーホント、偶然!
 さっきそこで、
 サヨちゃんと出会ったんだよ!!
 ネーーー!」

タクマは、サヨちゃんに向かって
笑顔で首を傾ける。

「・・・・・???確かに、
 そこでお会いしましたね」

「ねー!!!もう奇跡っていうか
 運命でしょ!!
 あ、そーだ!LINE教えてよ!!」

「はぁ・・・」

コイツ・・・この前自分で言ってた
ナンパの殺し文句を実践してるし・・・。
タクマは相変わらず、
サヨちゃんにゾッコンらしい・・・

「あの、どのように
 登録したらよろしいでしょうか?」

「オッケー!!
 じゃぁ『ふるふる』しよっ!!」

『ふるふる』とは2つのスマホを
文字通り振って、お互いの
LINEを交換する機能。
サヨちゃんと、タクマは
スマホを振りあっている。

「おっ!きたきたっ!!
 はい、これで友達登録オッケー!」

「ありがとうございます」

「じゃぁ、今度映画でも観に行こうよ!
 何が好き?恋愛?サスペンス?
 アクションとか?」

「わたくしは、
 『ジブリ』しか拝見いたしません」

え?!!ジ、ジブリのみ??!!

「・・・あー!いいよね!
 ジブリ!俺も大好き!」

タクマ・・・今、
絶対、咄嗟に合わせたろ・・・

「やっぱりラピュタだよね!!!」

「ほぉ」

・・・ほぉ?
でも、ジブリの話になった途端、
サヨちゃんの目つきが変わった。
タクマも、必死に食らいつこうとする。

「やっぱり、あのー、オームがね!」

「・・・それは『風の谷のナウシカ』です」

「あ・・・そうだぞ!!ぺらいっち!!!」

ななな、なんで俺?!

でも、俺もイマイチ、
ジブリの良さがわからんなぁ。
学生時代は、『もののけ姫』とか
『千と千尋』とか流行ってたから、
波に乗り遅れまいと、
周りと一緒になって
一応見てたけど、結局、
スゲーーイイ!!とまではならなかった。

「・・・まぁ、俺は、あんまり
 ジブリ見ないからなぁ~」

「マジで?!ぺらいっち!
 それは、もう人生の10割損してるよ!!!
 ねー!サヨちゃん」

タクマ・・・・調子いい奴め。

「その通りですね」

サヨちゃんまで・・・

 

帰り際、俺が大家さんの家を
出ようとすると、
サヨちゃんが話しかけてくる。

「あの・・・」

「はい?」

「オノさんも、『ふるふる』致しましょう」

「え?・・・いいけど」

うーん。わざわざサヨちゃんから
LINE交換を言ってくるなんて。
まぁ・・・社交辞令だろ。

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しかし、家に着き、しばらくして
スマホを見ると、早速、
サヨちゃんからLINEが。
な、なんだろ・・・?

『オノさんは、人生を今一度、
 見つめ直してみては
 いかがでしょうか?』

・・・は???


その言葉と共に、
ジブリアニメを紹介する動画
が大量に送られてきていた。