ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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白を集めろ!

今日もバイト後、
“すずたん応援部”をガストに集めた。

“すずたん”のカラオケ大会の衣装は、
みんなとの話し合いの結果、
白色の衣装を試着してもらって、
その中から一番似合うものを
新しく買ってプレゼントする、
と決まったんだけど、
肝心の試着用の服を
どうするか決まっていなかったからだ。

「“すずたん”に試着してもらうのに、
 白い衣装みんなで分担して
 持ち寄ろうぜ!」

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俺が呼び掛けると、
マルオがいち早く反応する。

「白のシャツは、ワシ持っとります!!!」

そう自信満々に言うマルオに
ヒロセのツッコミが飛ぶ。

「アホォ!そんなん
 ほとんどの奴が持っとるわい!
 ジャケットとかスーツを
 どないしようかっちゅう話や!」

「そんな言い方せんでもええじゃろぉ~・・・」

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「あ、白のジャケットは、
 先輩から貰ったのがあるから、
 俺、持ってこれるよ~
 “すずたん”にはちょっとキツイかもだけど」

そう言うのは、タクマ。
確かにタクマが着るサイズを
“すずたん”が着ると
パンパンになりそうだ・・・。

「じゃぁ、白のスーツは、どうしよっか?」

すると、サヨちゃんが静かに手を上げる。

「白のスーツなら父が持っていた、かと」

「え?サヨちゃんさんのお父さんって
 何モンなんじゃ??

 もしかして、こっち系の・・・人なん???」

驚くマルオを尻目に、
サヨちゃんは淡々と答える。

「いえ、わたくしの父は、
 いつも矢沢永吉のライブに
 行くときに着ておりますので・・・」

「なんじゃぁ~そうかぁ~・・・」

いや、それも結構
特殊な事のような気がするけど・・・?!

「でも、永ちゃんのファンなんでしょ??
 それってさ、結構
 大事にしてるヤツなんじゃない??

 人に貸すのとか嫌なんじゃないかな・・・
 白スーツって汚れつきやすいしさ」

「ほぉ・・・確かに」

冷静なタクマの指摘に、
サヨちゃんもうなづいている。

う~ん・・・
白のスーツが一番手に入れにくいかも・・・

すると、ヒロセが乗り出してくる。

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「ほんなら!俺が
 知り合いの衣装さんにあたってみるわ~」

「おっ、さすが役者!」

しゃーないなぁ、と言いながらも
ドヤ顔のヒロセ。

「あとは、白のタートルネックのセーターか・・・
あれ?ぺらいっち、持ってなかったっけ?」

タクマは、ニヤニヤしながら
俺に聞いてくる。

「え?」

そういえば、持ってたな・・・
去年、片思いだったアンナに
選んでもらったやつ・・・。
 

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フラれたときに、押し入れに
しまいこんで以来、見てない・・・。

でも、これで大体めぼしが付いた。
たぶん大きさとか合わないかもだけど、
“すずたん”が、どんな松山千春に変身するか
楽しみだ~!

「よし!じゃぁ服が揃い次第
 “すずたん”ちで衣装合わせね!!!」