ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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奇跡の出会い

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 「ねぇ~ぺらいっち~!!」

今日もタクマは、甘えた声ですり寄ってくる。

「なに・・・?」

「ねぇ~次は、いつサヨちゃんと
 会わせてくれるのさー?」

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やっぱり。

「・・・あのさぁ、
 サヨちゃんのどこがええわけ?
 あんな畏まっちゃってさ~・・・
 フリーターの俺が言うのもなんだけど、
 世間知らずだしさ・・・
 料理もしたことないんだってよ?」

「へぇ~そうなんだぁ~!!
 じゃぁ、俺が教えてあげないと!
 とりあえず、
 サヨちゃんの電話番号教えてよ」

「いや、俺も知らんし!!
 ってかタクマは、
 サヨちゃんじゃなくても、

 他に女の子いっぱい、
 いるでしょ???」

「いや、だって『運命』だなぁ~って思って」

「ハハ・・・そんな大げさな」

すると、タクマは急に真面目な表情になる。

「あのさぁ、世界に
 人間がどれだけいると思ってんの?」

「・・・は?」

「70億だよ?70億!
 そんな中で、出会えたんだよ?

 もう奇跡でしょ!!運命でしょ!!
 大切にしなきゃ!!!」

「はぁ・・・」

・・・どっかで
聞いたようなセリフだな。
まぁ・・・でも、確かに
人と人が出会うのって、
生まれた時代、
国や地域・・・って考えると、
たとえ、すれ違うだけでも、
ものすごい確率かも・・・

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そうか。タクマは
一つ一つの出会いを
ものすごく大切に思ってるのか。

それに比べて、俺は・・・
出会えた奇跡なんて感じられずに、
人の嫌いなとこばっか見て、
否定的に考えてしまう。

そうか・・・そういう風に
考えてるのかタクマは。
俺も、単に好き嫌いじゃなくて、
もうちょっと出会いを
大事にしないといけないのかもな・・・。

「あ、この決め台詞、
 いつもナンパの時に使うやつね!」

「・・・」