ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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タクマの背中

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「意外過ぎる・・・」

俺はいつもの喫煙所で、
先日送られてきた
親父のLINEを見返していた。

親父ってこんなに面白かったのか・・・
あんなに普段、
あんまり喋んない親父が。
しかも、ひそかにブログも
チェックしてくれていたなんて・・・

ちょっと恥ずかしい気もするけど、
でも・・・
なんだか嬉しいな・・・

ガチャ。

「ぺらいっち!!」

「おう」

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最近では、俺がここで
タバコを吸っていると、
決まってタクマがやってくる。

「どうしたんスか?そんな背中丸めて~
 あ~!!!
 まだアンナ引きずってんスかぁ??」

「ちげーよ」

「いや、絶対そうだ!!
 もぅ~ぺらいっち、

 終わった恋は、もう
 どうにもなんないんスから。

 俺なんか、もう次のターゲット
 見つけちゃったもんねー!」

「え?!早っ!」

相変わらず軽いなぁ・・・
俺もこいつみたいに
切り替え早くなってみたいよ・・・

「ハッハッハ!!
 ぺらいっちは、どうせ、
 アンナとのLINEを
 また見返してたんじゃないのぉ~?
 女々しいっスよ!」

「ちげーって!」

そりゃぁ、アンナのことは、
まだそんな簡単には
吹っ切れないけど・・・

「いやさ・・・実は俺、
 個人的にブログやってるんだけど、
 アンナとのこと書いたんよ。
 そしたら昨日、
 親父からこんなLINE来てさ・・・フフッ」

俺はタクマに、
親父からのLINEを見せる。

「へぇ~~・・・・・・」

「いや!それだけかよ!!
 俺の親父、基本無口だから
 こんなん書く人じゃないって
 思ってたんだよ。

 人は見かけによんないんだな~って」

「ふ~ん。。。まぁ良かったんじゃないスか」

おいおい、
なんか反応があっさりしてんな。
タクマならもっと
面白がってくれると思ったのに。

「タクマの親父も、
 おまえのこと心配してると思うよ~。
 勉強もせんで、次々女の子代えてさ!」

「うーん、俺、父親?
 いないから、よくわかんねっスわ」

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え・・・。知らんかった・・・

「あ、そうなんだ・・・」

「なんか病気で死んだらしいっス」

「そうかぁ・・・」

「ま!小っちゃい頃なんで、
 全然記憶ないんスけどね!!」

そう言うと、タクマは、
くるりと背を向けて喫煙所から出ていった。

 

・・・そうだったのか。

タクマは、明るくて、
チャラくて、調子良くて・・・

てっきり、両親に
甘やかされて育ったもんだと
思ってたけど・・・

親父といい、タクマといい、
人って、ホントに
上辺だけじゃ分かんない・・・