ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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残念会

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ハァ~~・・・

思えば、アンナに会うまで、
恋自体からも
大分遠ざかってたから、
失恋するのも久しぶりだ・・・

こんなに辛かったっけ・・・

アンナの彼氏は、俺と同い年の
サラリーマンだった・・・
お金もあって・・・
海外勤務か・・・
それに引き換え、俺は金もないし、
フリーターだし・・・
なんもない・・・。

そんな完璧な彼氏が
いることも知らずに、
俺はフワフワモコモコの
ジェラート・ピケなんて
あげてしまった・・・

恥ずかしい・・・

フゥ~~~

バイト先の裏口の喫煙所は、
ゴミ捨て場が隣にあるから、
ちょっと臭いけど、
あまり人が来ないので、
一人になれる・・・

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ガチャ。

「あっ!ぺらいっち!ちゃーす!」

タクマだ・・・
結局、こいつも
フラれたんだよな、アンナに。
それなのに、
なんでこんな陽気で
いられるんだコイツは。
まだ好きかどうか分からないって
言ってたくらいだし、
実際、大してショックでも無いのかな・・・

「ねぇねぇ、ぺらいっち。
 アンナにジェラートピケあげた?」

「えっ・・・?」

タクマはニヤニヤしながら、俺の肩を小突く。

「なんで、それを・・・?」

「さっきヤマちゃんが、
 アンナから貰ったって
 自慢してたっスよ~ハハハ」

うそ、マジか・・・
そりゃぁ、
結婚しようって彼氏がいるのに、
別の男から貰った
カワイイパジャマなんて
着れないよな・・・
俺も要らないなら捨てていいって
言ったけど、まさか
ヤマちゃんにあげるとは・・・

「彼氏持ちにパジャマは
 ないっスね。ハハハ!」

「うるせぇっ!!!だって!
 彼氏いるって知らなかったし!」

「いや~ナイナイ」

「じゃぁ!おまえは、
 何をあげたんだよ?」

「え~~・・・」

「なんだよ、教えろよ」

「イヤっすよ~」

「いいから!!」

「・・・・・・東京湾クルーズ」

「マジ?!・・・で、行くの?」

「行くわけないじゃないっスか。
 彼氏いるって断られて・・・
 でも、カッコつけて、
 あげちゃいましたよ」

「へ~~~・・・ってか
 それこそ、
 彼氏持ちにナイやつじゃん!」

「だって~彼氏いるって
 知らなかったんスもん。
 ハァ~・・・
 いるなら言って欲しいっスよね~」

「やっぱり、
 お前も気づいてなかったんだ?」

「全っ然っ。あ~あ・・・」

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今まで明るかったタクマの表情が
一瞬寂し気になる。

あ~あ。なんてことない。
こいつもやっぱり本気だったんだな・・・

「今日、飲み行く?」

「いいっスねぇ~」

「おまえさぁ・・・もう、
 恋愛マスターの称号は返上な」

「ハハ・・・そうっスね」

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