人間の言葉が分かる??
一昨日の夕方は、久しぶりに
“すずたん”ちの飼い犬ゲンの散歩に。
「よしっ!ゲンッ!行くよ!」
俺は、ゲンの首にリードを付けて
出発する。
ゲンは地面をしきりにクンクンしながら、
進んでいき、電信柱に到着する度、
足をあげて、おしっこをかけていく。
そこに、学校帰りと思われる
女子高生3人のグループが
話しながら、向こうからやってくる。
すると、ゲンは、サッとおしっこを中止し、
女子高生たちをジーと見上げる。
「わぁ~~!何あの犬!!」
「可愛すぎ!!」
「うわぁ~~!!!」
おいおい・・・ゲン、
お前すごい人気だな。
まぁ、ゲンは、柴犬の中でも、
特にカワイイ顔をしてると思うけど・・・
あんなキャーキャー言われるなんて、
アイドルみたいじゃねーか。羨ましい・・・
俺なんて、そんな風に女の子にチヤホヤ
されたことなんて一度もないよ・・・
クソっ、いいなぁ。
女子高生たちは、通り過ぎた後も、
振り返り、何やら叫んでいる。
「キャー!!見てあのしっぽ!!」
「カワイイーー!!!」
その声に、反応するように、
首だけを女子高生に向けるゲン。
その度に、女子高生たちから
歓声が上がる。
ゲンは、その後、スタスタと大通りの方へ歩いていくと
駅前のコンビニの前に座り込む。
おいおい、こんなとこで座っちゃ・・・
時間はちょうど、学校や会社の帰宅時間。
改札から、ゾロゾロと学生や
サラリーマンが出てくる。
「ねぇねぇ、可愛くない?」
改札前に座るゲンを指差し、
女の人たちが盛り上がっている。
その度、何のことか分からないような顔をして
振り返るゲン。
「キャー!こっち向いた!!」
この野郎・・・ゲン。
お前、絶対、『カワイイ』って言葉を
理解してるだろ・・・
一通り、改札から人が出尽くすと
ゲンは、丸々したお尻をフリフリさせながら
家の方へ歩き出す。
いやぁ~・・・でも、やっぱり、
カワイイなぁ~お前。