模擬テスト
“すずたん”のカラオケ大会まで、あと2週間。
今日は “すずたん”ちで練習。
「うわぁ~~~」
マルオは相変わらず、
ゲンから逃げ回っている。
ホントに好かれとるなぁ~
他の人には、そんなことしないのに・・・
「やっぱり怖いぃぃ~~」
ゲンは、マルオに
何か感じているのだろうか・・・。
「そうや!“すずたん”
この前教えたリップロールやってる?」
ヒロセが聞くと、
“すずたん”は立ち上がり、口をとがらせる。
「ぷるるるるる~~~~!!!
どう?」
「お~~~できてるやん!!」
“すずたん”、リップロール上達してる!!!
すると、タクマがある提案をする。
「じゃぁさ!リップロールの効果を
確かめるために今からカラオケ
行きましょうよ!
そうだ!カラオケで採点機能
あるの知ってます?」
「あー、採点ね~。知ってるけど、
やったことはないなぁ~」
「じゃぁ、今からやりにいきましょう!」
「え~・・・」
「大丈夫ですよ!!!
“すずたん”確実にうまくなってるから!」
「せやで!!ここでいっちょ、
高得点たたき出して、自信つけな!!」
少し不安そうな“すずたん”をみんなで
なんとか励まし、結局、
カラオケ屋に行くことに。
俺らが家を出ようとすると、
ゲンが玄関まで走ってきて、
マルオに抱きつこうとする。
「うわぁ~、ちょちょちょ・・・・」
「おっ、マルオは留守番か?」
「えーーーー?!!!ムリじゃぁ~~」
しかし、ゲンは、
マルオの足にしがみつき、
スリスリして離れようとしない。
「いやー、すごいねマルオくん。
中々ゲンがこんな風になることないよ~」
「う~ん・・・」
なんとか、みんなで
マルオからゲンを引き離すと、
ゲンは寂しそうな顔をしている。
「ちょ、待ってください・・・」
「ん?」
「やっぱ、ワシ残ります・・・
なんかゲンがかわいそうじゃけ・・・」
「え・・・?大丈夫か?お前」
「うん、たぶん・・・」
「悪いねマルオ君、
すぐ帰ってくるからね」
そして俺たちは、2人を残して、
深夜のカラオケに。
♪めぇぇぇぇぇぇ~~~
ぐぅぅぅるうぅぅぅぅぅぅぅ
めぐるぅぅぅぅぅ~
季節の中でぇぇぇぇぇぇ~~~
「お~~~」
“すずたん”やっぱり高音も気持ちよく
出る様になってるし!ノビもすごい!!!
腹式とリップロールの効果すげぇ!!!
曲が終わると、
採点のドラムロールが鳴り響く。
「おっ、どうだ?」
「いや!これ結構
点いくんじゃないですかぁ???」
ダラララララララララ、ダンッ!!!
79点!!!
「おーーーー・・・・」
やっぱりか・・・
カラオケの採点って、
たしか最低点が70点くらいに設定されてるから、
これくらいは普通に出るんだよなぁ・・・
でも、そんなこと“すずたん”には言えない・・・
「え?これスゴイの?」
“すずたん”はみんなの顔色を伺っている。
「うん!・・・・すごい!!!」
とヒロセ。
「いや!これはなかなか!」
とタクマも拍手する。
みんな・・・優しいな。