ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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模擬テスト

 “すずたん”のカラオケ大会まで、あと2週間。
今日は “すずたん”ちで練習。

「うわぁ~~~」

マルオは相変わらず、
ゲンから逃げ回っている。
ホントに好かれとるなぁ~
他の人には、そんなことしないのに・・・

「やっぱり怖いぃぃ~~」

ゲンは、マルオに
何か感じているのだろうか・・・。

「そうや!“すずたん”
 この前教えたリップロールやってる?」

ヒロセが聞くと、
“すずたん”は立ち上がり、口をとがらせる。

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 「ぷるるるるる~~~~!!!
 どう?」

「お~~~できてるやん!!」

“すずたん”、リップロール上達してる!!!

 すると、タクマがある提案をする。

「じゃぁさ!リップロールの効果を
 確かめるために
今からカラオケ
 行きましょうよ!
 そうだ!
カラオケで採点機能
 あるの知ってます?」

「あー、採点ね~。知ってるけど、
 やったことはないなぁ~」

「じゃぁ、今からやりにいきましょう!」

「え~・・・」

「大丈夫ですよ!!!
 “すずたん”確実にうまくなってるから!」

「せやで!!ここでいっちょ、
 高得点たたき出して、自信つけな!!」

少し不安そうな“すずたん”をみんなで
なんとか励まし、結局、
カラオケ屋に行くことに。

俺らが家を出ようとすると、
ゲンが玄関まで走ってきて、
マルオに抱きつこうとする。

「うわぁ~、ちょちょちょ・・・・」

「おっ、マルオは留守番か?」

「えーーーー?!!!ムリじゃぁ~~」

しかし、ゲンは、
マルオの足にしがみつき、
スリスリして離れようとしない。

「いやー、すごいねマルオくん。
 中々ゲンがこんな風になることないよ~」

「う~ん・・・」

なんとか、みんなで
マルオからゲンを引き離すと、
ゲンは寂しそうな顔をしている。

「ちょ、待ってください・・・」

「ん?」

「やっぱ、ワシ残ります・・・
 なんかゲンがかわいそうじゃけ・・・」


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「え・・・?大丈夫か?お前」

「うん、たぶん・・・」

「悪いねマルオ君、
 すぐ帰ってくるからね」

そして俺たちは、2人を残して、
深夜のカラオケに。

♪めぇぇぇぇぇぇ~~~
ぐぅぅぅるうぅぅぅぅぅぅぅ

めぐるぅぅぅぅぅ~
季節の中でぇぇぇぇぇぇ~~~

「お~~~」

“すずたん”やっぱり高音も気持ちよく
出る様になってるし!ノビもすごい!!!
腹式とリップロールの効果すげぇ!!!

曲が終わると、
採点のドラムロールが鳴り響く。

「おっ、どうだ?」

「いや!これ結構
 点いくんじゃないですかぁ???」

ダラララララララララ、ダンッ!!!

79点!!!

「おーーーー・・・・」

やっぱりか・・・
カラオケの採点って、
たしか最低点が70点くらいに設定されてるから、
これくらいは普通に出るんだよなぁ・・・
でも、そんなこと“すずたん”には言えない・・・

「え?これスゴイの?」

“すずたん”はみんなの顔色を伺っている。

「うん!・・・・すごい!!!」
 とヒロセ。

「いや!これはなかなか!」
 とタクマも拍手する。

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みんな・・・優しいな。