ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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“すずたん”のサイズ

急きょ、“すずたん”にプレゼントする
カラオケ大会用の衣装は、
白のタートルネックのセーターから
まさかの白スーツに変更になった。

今日の俺のミッションは、
“すずたん”の体のサイズを測ること・・・。
最低限必要なのは、
肩幅、そで丈、あとウェストサイズくらいかな?

タクマに、「それとなく測っといて~」
って頼まれたけど、
意外と難しくねーか?このミッション。
(俺も「オッケー」って軽く返しちゃったけど・・・)

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せっかくのサプライズが
台無しになったらいけんし・・・。

「こんばんは~~」

「お~~オノ君!そうだ、
 昨日教えてくれたアドバイスの

 練習してるんだけど、
 ちょっと聞いてくれない?」

「あ、いいですよ~」

♪んめぇ~ぐるぅぅぅ~~~んめぇぐるぅ~~~
っきせっつのんなかでぇ~~

「いや、昨日よりスゴイ自然になってますよ!
 躍動感もちょっとずつ出てるし!」

「そう?」

・・・よし、そろそろ言い出そう。

「あの・・・“すずたん”、ちょっとお願いが・・・」

「ん?何?」

「ちょっと、スーツを貸して欲しいんですけど・・・」

「え?急にどうしたの?
 ついに、どっかに就職するの?」

「え?いや!・・・・あ、今度
 友達の結婚式なんですけど、
 礼服がなくて・・・」

「あー、礼服ね。
 うん、良いけど、オノ君と私じゃ、

 サイズ合わないんじゃないの??」

「うーん、いや、大丈夫ですよー!」

「ふ~ん・・・
 まぁ、じゃあちょっと待ってて」

しばらくして、2階から
“すずたんが、礼服を抱えて戻ってくる。

「これだけど・・・着てみる?」

「あ、ありがとうございます!」

よし、これを借りて帰れば、サイズが分かる!!

「あーー、やっぱぶかぶかだね~
 丈が足りてないし・・・
 オノ君、手足が長いから」

確かに、サイズが合わな過ぎて
八分丈みたいになってる・・・。

「まぁ、ギリギリ着れますね」

「いや~これは、ダメだね」

「え?」

「さすがに結婚式にそれ着て行ったら、失礼だよ」

「いや、まぁ友達なんで大丈夫・・・」

「ダメダメ。親しき仲にも
 礼儀ありって言うでしょ。

 友達にとっては、一生に一度の事なんだから。
 普通のスーツは持ってるんでしょ?
 礼服じゃなくても大丈夫だと思うよ」

「はぁ・・・」

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っておい!!!これじゃ、
家に帰ってサイズを測れないっ!
なんとかサイズを聞きださないと!

「これって・・・既製品ですか?オーダーですか?」

「いやいや、もちろん既製品だよ。
 ただ、後で、ちょっと直してもらったくらいで」

「あー、そうなんですね~、
 これは・・・Lサイズですか?」

「いや、確かLLだよ。」

「なるほど~。あ、腕も丈が足りないなぁ~」

「そりゃ、そうだよ。オノ君とは身長も違うし」

「え~?そうですかぁ~?」

そう言って、長さを比べるという風に、俺は、
自分の腕を“すずたん”の腕に合わせる。
なるほど。そでの長さは、
俺より、ちょうど手の平分くらい短く、と。

「は~、でも、やっぱりズボンは、
 結構デカいですね~。
 最近、お腹出てきたんじゃないですかぁ?」

「まぁ、そうだね~・・・
 若い頃は、私もオノ君みたいに
 スリムだったんだけどね」

「え?ウェストって今いくつ
 ・・・くらいなんですか?」

「うーん、この前、測った時は
 90くらいだったかな?」

「は~ん、なるほど。丈もそのまま?」

「いやいや、もちろん切ってもらったよ。
 10cmくらい。ハハ」

「え~!そうなんですね~」

よしよし!これで、なんとなく
“すずたん”のサイズ感は
分かった!

「う~ん・・・やっぱり、
 自分のスーツで行った方が
 いいですかね~」

「うん、そうした方がいいよ」

「分かりました!ありがとうございます!」

「それにしても、自分の礼服くらい
 持っといた方がいいよ?」

「そうですよね~・・・」


うん、“すずたん”にも
怪しまれていない・・・はず(?)