ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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記念すべき初デート

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昨日の記事を読んで頂いたみなさんは
もう、お察しかもしれませんが、
最近、気になる子ができた。
この俺にも、やっと
春がきた・・・!!
とはいえ、まだ付き合ったりとか
いうにはほど遠く、
ただ気になっただけなのだが・・・
それでもここ5、6年、
彼女どころか好きな人すら
できなかった俺にしては大進歩だ。

相手は、バイトの専門学生アンナ。
今まで大学生だと思っていたのだが、
よくよく話を聞いてみると、
どうやら
ファッションの専門学校?らしい。

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最初から興味があったわけ
でもないのだが、
人懐っこく、
30オーバーなオジサンな俺とも
壁をつくることなく、
きさくに話しかけてきてくれるので、
毎日話しているうちに
いつの間にか気になっていた。
久しぶりに人を好きになる気持ち。
あわよくば付き合えたらなぁ・・・
しかし、それにはいくつものハードルを
越えなければならない。ていうかムリ。
相手はまだ学生だし、
年の差なんて10歳以上ある。
俺なんかフリーターで32歳だし。
お金ないし。イケメンでもないし。
細長いし。挙げればきりがない。

そうしたあきらめの中、
悶々とした日々を過ごしていた俺に、
絶好のチャンスが到来した。

「オノちゃん、これあげる」

店長が何かのチケットを差し出している。

「野球のチケット。
 2枚貰ったんだけど、

 おれ興味ないからあげる。
 誰か誘って行ってきなよ」

「マジっすか?!」


埼玉西武の
クライマックスシリーズ(CS)
ファイナルの対決ですけど?!!

普通、CSのチケットなんて
中々手に入らないのに、店長
なにもん???

ファンなら喉から手が出るほど
欲しいチケット。
俺はカープファンだが、この際、
どのチームだろうと関係ない。

とにかくアンナを誘うチャンス!
まぁ、野球なんて
興味無いだろうけど・・・
普通にデートを誘うのは勇気がいるが、
チケット貰って、
一緒に行く相手を探している風なら、
きっとそこまで
ハードルは高くないはず。

「ねぇ、アンナ、この日さぁ、空いてる?」

「え?どうしたんですか?」

振り向いたアンナの顔に見ると、
とたんに緊張してしどろもどろになる。

「いや・・・これ野球の
 チケット2枚貰ったんだけどさ。
 一緒に観に行く人いなくてさ。
 ・・・いや誰でもいいんだけど。

 もし明日空いてるんだったら
 どうかなって・・・」


「え!!!行きたい!!!」

「え?!!!」

「私、西武ファンなんです!!」

「そうだったの?!」

マジかよ!なんてこった!!
そういえば確か、アンナの家って
埼玉って言ってた気がする。
西武ファンとは知らずに誘ってみたけど
これは・・・
神様が後押ししてくれている
としか思えない。

「え~いいんですか~?!!」
「もちろん!じゃぁ・・」

その時、ふいに後ろから
誰かの叫び声が聞こえる。

「ぺらいちさ~~~~ん!!
 聞きましたよ~!

 店長から貰いましたよね!
 明日のチケット!!!

 私!行きたーーーい!!!」

・・・ヤマちゃんだ。
ヤマちゃんは、
各球団の二軍キャンプにいくほど
熱狂的なプロ野球ファンの大学生の女の子。

たのむ。ヤマちゃん空気を読んでくれ・・・

 

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「CSチケット譲ってください!!!
 西武の試合!
 ホンッとに見たいんです!」

ヤマちゃんは早口でまくしたてる。

「え・・・」
「ぺらいちさん、
 カープファンでしたもんね!

 お願いします!!!」

ハァ・・・違うんだよ・・・
アンナも、ヤマちゃんの勢いに
圧倒されてポカンとしている。

「いや・・・」
「わ~~~!!ホンットに
 ありがとうございます!!

 マジマジマジ恩に切ります!」

いや、まだあげるって言ってないのに・・・
貰う気でいるし!

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「ちょっと待って・・・」

俺は説明しようとするも、ヤマちゃんは、
両手で拝むようなポーズを繰り返し、
全然聞いていない。


「ありがとうございます!
 ありがとうございます!!

 え!!アンナさんも行くんですか?!」
「あ、私西武ファンだから・・・」

「えーー!!そうなんだぁ~!!

 じゃぁ明日は西武の
 ユニフォームでいきますね!
 私全球団のユニフォーム持ってるんで!!」

2人は西武の話で盛り上がっている・・・

うん・・・もう無理だな・・・

くそぉ・・・
初デートになるはずだったのに・・・。