ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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ぺらいちの新人教育

「じゃぁ、アンドゥ君は、
 オノ君が担当で」

「えっ・・・!」

店長の指示で新人のアンドウ君には、
俺が教えることになった。

「よろしくお願いします」

アンドウ君は、見た目は、
正直怖そうだけど、
話してみると意外と、ってことも
あるかもしれない。

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俺は無理に明るくフレンドリーに
話しかける。

「アンドウ君、体でかいよね~?
 筋トレとかしてるの~?」

「いえ」

「じゃぁ・・・スポーツとかしてるの~?」

「いえ、してないです」

アンドウ君は、何を言っても
短い返答のみで、
なかなか話が続かない・・・。
まぁ、入ったばっかで
緊張してるのかもな。

「大学では何て呼ばれてるのぉ?」

「別に普通です」

「そーなんだ~、じゃぁ、
 あだ名、欲しいっしょ?」

「いや、別に」

「またまたぁ・・・
 じゃぁ・・・ヒロセも言ってたけど、
 アンドゥでいい?」

「別になんでもいいです」

「あ~・・・」

・・・なに??この塩対応。
俺、もしかして嫌われてる??

「大学では、何を勉強してるの~?」

「法律です」

「へぇ~法律!難しそうだねぇ・・・」

「難しいですね」

アンドゥは淡々と喋っている。

「テストの点数5点足りないだけで、
 その科目の単位、落としましたから」

「えっ!5点だけで?」

「それで留年です」

「あ~~・・・・」

そうだった・・・
アンドゥ、留年してるんだった・・・

「それで内定も取り消しですよ」

「そっか・・・」

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うわぁ・・・やべぇ。
アンドゥの表情が怖い・・・
なんか、どんどん
不機嫌になってる気がする・・・。
やっぱこの話題はタブーっぽいな・・・

「アンドゥ、ここ以外も
 バイトしてるんだって~?」

「まぁ・・・」

「やっぱ、遊ぶお金もいるもんね~?」

アンドゥは、バカにしたように鼻で笑う。

「フッ・・・いや、
 稼がないといけないんで、学費」

「え・・・?学費?」

「さっきも言いましたけど、
 留年したんで」

「あ~~~そっか・・・」

アンドゥは、呆れたような
表情で俺を見ている。

ちょ、なんなのコイツ。
留年しといて、なんでそんなに
エラそーなんだ??

こっちが下手に出てたら、
調子に乗りやがって・・・
っていうかなんで
俺がこんなに
気を使わなきゃいけないんだ??
なんか、だんだんイライラしてきた。

「じゃぁ、このオーダー
やっといて」

おれは、ぶっきらぼうに言う。

「分かりました」

すると、アンドゥは
表情を変えることなく、
淡々と作業を始める。

「できました」

俺は、アンドゥが作った料理を
チェックする。
はいはい。
ま、さっきサラッと教えただけだから
どうせ、できるわけ・・・って
できてるし。

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いや、そんなわけは・・・
俺は、嫁に対する姑のように
さらに隅々までチェックする。
うん、料理に火は通ってるし、
盛り付けもキレイ・・・
完璧じゃねぇか!!!

・・・え、なに、この可愛くない奴!