K‐POP熱
バイトの女子大生アンナは、
K‐POPが大好き。
好きすぎて韓国にも月1以上のペースで
ライブに行くらしく、
韓国語も日常会話かそれ以上
話せるくらい上達するほどで、
いっつもK‐POPアイドルの
話をしている。
休憩中も
K‐POP男性アイドルの
写真を見せてくる。
「かっこよくない?オンソンウ!!
ぺらいちさんもK‐POP
聞いた方がいいよ」
「オンソン?誰それ?
いや~正直、
K‐POPはあんまだな・・・」
「え~~~?なんでぇ~?
めちゃめちゃカッコいいですよ」
「そうかなぁ?どこがいいの?
日本人の方がいいじゃん」
俺はその時、全然K‐POPの良さが
分からなかったので、
アンナのK‐POP熱も
冷めた目で見ていた。
しかし、俺も最近ひょんなことから
『TWICE』という
ガールズグループの歌を聞いて、
ドハマり。
韓国人、台湾人、日本人で
構成されたグループで、
ルックス、歌、踊り、全てカワイイ。
毎日のように、『TWICE』の曲を
繰り返し聞く。
K‐POPを聞く人の気持ちが
やっとわかった気がする。
ある時、休憩中に
アンナがいたので、
俺はノリノリで話しかける。
「アンナ!最近おれ
K‐POP聞いてるよ!」
「へ~・・・」
あれ?・・・なんか反応が薄い・・・
「TWICE良いよね!
ツウィがかわいすぎ!」
「あ~~・・・
TWICEはあんまり好きじゃないです」
え?マジで?
「それに、なんかK‐POPも、
もういいかなって」
「え?ど、どうしたアンナ」
「アイドルとかは、もう・・・」
「え・・・」
アンナはおもむろに
スマホの写真を見せる。
「友達が彼氏できたの見てたら、
やっぱ、リアルの方が
いいなって・・・」
「なるほど、ね~・・・」
それから、
俺の『TWICE』熱も
急激に冷めていった。