ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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泊めてもらえない?

この前、深夜、家でゴロゴロしていると、
エリという、以前働いていたパチンコ屋
のバイト仲間から電話がかかってきた。

「今日泊めてもらえない?」

どうやら飲み会の後、終電を逃して家に
帰れなくなったらしく、歩いて行ける距離
に住んでいる俺に連絡してきたのだという。

「いいよ~」

二つ返事で承諾したものの、
久しく女子を家に上げてない俺の部屋は、
散らかり放題。
急いで脱ぎっぱなしの服を押し入れに
突っ込み、床にコロコロをかける。
エリは、少しポッチャリめの
中々可愛い女の子で、パチンコ屋の時から
少し気になってはいた。

(おや?まてよ。
 家に泊まりに来るということは、もしかして、
 そういうことになってもOKということか?
 普通好きでもない男の家に泊まりには
 来ないもんな。
 そういえばこの前彼氏と別れたと
 言っていたし・・・
 これはワンチャンあるぞ。)

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数十分後、家のチャイムが鳴り、
お酒で少し顔を赤くしたエリが来た。
テレビのバラエティを見ながら
少し雑談したあと、テレビを消して
いざお楽しみタイム!
しかし、焦ってはいけない。
まずはここで紳士的な態度を見せて
相手の様子を探る。

「俺は床で寝るから、ベッド使っていいよ」
「いや、いいよ~
 私、床で寝るから。布団これ?」

さっさと、布団を敷き、床で寝始めるエリ。

(まぁまぁ、エリも恥ずかしいだろうし、
 ここまでは想定内)

俺は一人でベッドに横になりながら、
優しくエリに声をかける。

「やっぱりさー、床じゃ寝にくいでしょ?
 ベッドで寝る?」
「いや、いいよ~大丈夫」
「いや、でも悪いしさ。こっちで寝なよ」
「え~?いいの?じゃぁ」

そう言って布団から出るエリ。

(きたきた。)

エリは布団から出ると
ベッドの横に立って待っている。
まぁ、エリからは入ってこないか。
しょうがない。一回ベッド奥にエリを入れて、
俺もその後に入ろう。

しかし、俺がベッドから出ると、
エリはベッド奥ではなく、
ドンと真ん中に寝てしまう。
これでは俺の入るスペースがない。
しかもエリは、もうすでに布団を被り、
完全に寝るモードに入っている。
俺は仕方なく床の布団に戻り、考える。

(・・・もしかして、エリはそういうことに
 あまり慣れてないのかな。
 えーい、しょうがない。
 ここはもう、俺が積極的に誘うしかないか!)

俺は、そろ~と
エリの寝ているベッドに乗り込み、
端っこに小さく横になる。
すると、俺に気づいたエリが起き上がり、
大声を出す。

「え?!!!どうしたの?!!!」

あまりにエリがビックリしたので、
俺もついマゴついてしまう。

「いや・・その・・やっぱ床が硬くてさ・・・」
「・・・・・じゃぁ、私が床でいいよ」

呆れた表情のエリ。

「え?いやぁ・・・」

するとエリは、面倒くさそうにベッドを出て、
床の布団に移る。
結局、ベッドにまた一人になった俺。

(うん、なんかもう・・・
 寝よう・・・うん・・・)

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