ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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もうバレてるのに

 

バイトの大学生カサハラは、
同じく大学生のモッチャンと
付き合っている。

そのことはバイト先の
ほとんどの人が知っている。

度々、お互いの家の合い鍵を
渡しているのも目撃されており、
二人が付き合っていることは、
周知の事実。

 

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だが、当の本人は、
まだ気づかれていないと
思っているのか、カサハラは
そのことをどうやっても
隠そうとする。


ある日の帰り道、
俺はカサハラと一緒になった。

俺の家とカサハラの家は、
同じ線の反対方向。
駅の改札を抜け、カサハラは
「じゃぁ、こっちなんで」
と反対方向に分かれた。

その後、俺はエスカレーターに
乗る前に、トイレに立ち寄った。
そして、上に上がって電車を待って
いると、こちら側のホームの端に、
なぜかカサハラがいる。

そういえば、モッチャンの家は
俺と同じ駅だったような・・・。

なんだよ、
今日は彼女の家でお泊りか。
わざわざ家の方に帰ると見せかけて
こっちに来るなんて・・・。

俺が「おーい!」
と声を掛けようとした時、
カサハラはこちらを
チラッと見たかと思うと、
スッと柱の陰に隠れてしまった。

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いや・・・、
もうバレてるって・・・。

カサハラ・・・、
おまえがそこまで隠したい
のなら、俺も何も言うまい。

俺は気づいていないフリをして
電車に乗った。