ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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ほんとに80才?!

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 先週末は、久々に大家さん家の
柴犬ゲンの散歩に行ってきたんだけど、
なんだか様子がおかしかった。

ちょっと前に散歩に行ったときには、
俺を引っ張らんばかりに、走ってたのに、
家を出てから、あまり歩こうとしない。

寒すぎるのかな?
犬は、寒さに強いって聞くけど、
老犬のゲンには、
この冬の寒さもこたえたのだろうか・・・
なんたって、実はゲンはもう13才。
人間でいうところの70~80才近いらしい。
その年齢にしては若々しいとは思っていたが、
最近、大家さん家でも、コタツの横で
丸まってることが多い。

でも最近、見るからに
丸々太ってきたから、
ちょっとは運動しないと・・・
って大家さん言ってたし、
もう少し歩かせないとな・・・。

「ゲン、もうちょっと行くよ!」

俺は、ちょっと強くリードを引っ張るが、
ゲンは全く動こうとしない。

「行――くーーーよっ!」

俺はさらに力を入れて引っ張るが、
ゲンも負けじと、逆方向に引っ張る。

ふぬぬぬぬ・・・

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そこからは、一進一退の綱引き状態。

「もぅーーー!!もうーーちょっと!!!!」

グググ・・・
こいつホントに80のジジイかよ・・・
俺もいつの間にかムキになってしまい、
本気モード。

すると、通りすがりの若いカップルが
こちらを見て話す声が聞こえる。

「うわー、カワイソー・・」

・・・ヤバイ。
傍から見たら、明らかに俺が
ワンちゃんをイジメてるみたいだよな・・・

そう思い、俺の力が緩んだ瞬間、
ゲンは狙っていたかのように
力を入れて引っ張る。

ズルズル・・・

くそ、俺が周りからの目を
気にしている隙に・・・。

その後も、ゲンは、味をしめたように
誰か人が通る度に効率的に力を入れる。

コイツ・・・やりやがる・・・。

「もうー!デブデブになっても知らんよ!!」

まだ10分もしてないよ・・・
いつも1時間は行くのに。
大家さんには、
全然歩かんかったって言ってやるぅ。
そんな俺の負け惜しみなど聞く耳持たず、
ノソノソと家の方に歩くゲン。

すると、大家さん家が
見えてきたところで、
いきなりゲンは吠えながら
狂ったように走り出す。

「キャンキャンキャン!!」

「ちょ、ちょっと!!!」

家の前では、大家さんが
庭の植物に水をやっている。

「あれ?早いね」

「いや~~、ゲンが全然、
 歩く気なくて・・・」

「ん?すごい走ってるじゃん」

「・・・ええ、まぁ」

クゥーンクゥーン。

ゲンは、今まで聞いたことの
ないような甘えた声で
大家さんの周りを回りながら、
俺の方を見たかと思うと、
ニヤリ・・・と笑った(気がした)。

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