ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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それぞれの人生

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 1年ぶりに会った大学時代のダチ、
リョウさんとヒガシと共に、
亡くなったタカの墓参りを済ませた後、
ヒガシの嫁と2人の子供は、嫁さんの実家に預け、
俺たち3人に。

俺とリョウさんは、ヒガシの嫁が
見えなくなったのを確かめると、
目配せする。

「コノやろーー!!ヒガシ!!!」

リョウさんと俺は
代わる代わるヒガシの薄くなった頭を
撫でまわす。

「あ、ちょっとヤメロ!」

ここまでくると、
イジらない方が失礼ってもんだ。

「お前、なんでそんな
 ハゲ散らかしとるんじゃ!!!」

「そうなんだよ~。きたよ。ついに。
 俺の爺ちゃん両方ハゲてたからな~~・・・」

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ひとしきり、ヒガシの頭をイジッた後は、
大学時代を思い出すように、3人で
ボーリング、バッティングセンター、
カラオケ、飲み、とバカ騒ぎを続ける。
しかし、大学時代とは違うのは俺らの体力。

「ハァ…俺らも年取ったのぉ・・・」

「もう、飲めん・・・」

「帰るか、ぺらん家に」

そして、3人で
俺の狭い家に泊まることに。

「あ~~、もう眠い・・・寝る」

ヒガシは、コタツに入るとすぐに
イビキをかきながら眠りにつく。

グゴーーーー・・・グゴーーーー

「うるせ~・・・」
「しっかし、寝るの早えーなぁ」

昔なら、こうなってからも、
夜な夜なデッカい夢語ったり、
くだらん話を延々と
話したりしよったのになぁ・・・

「俺らも寝るか・・・」
「おう・・・」


そう言って、布団をかぶったものの、
久々に会ったのに、すぐに寝たら、
なんだかもったいないような気がする・・・

「明日早う帰るんじゃろ?」

「おう、次の日も仕事だからな」

「学校か~~、どうなん?教師?」

「おう・・・まぁまぁだな。
 部活の顧問もやってるから休みナイよ」

「そうなんじゃ。バリバリの教師じゃの~」

「いや~~まぁ、つまらんよ。
 別にやりがいはあんまり無いしなぁ~・・・」

「え・・・そうなん?」

「うん、転職したいわぁ~。
 でも嫁も子供もいるから
 すぐには無理だけど。今度家も買うし・・・」

「そっかぁ・・・」

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・・・うーん。安定した収入もあって、
カワイイ嫁さんと子供もいて、
俺から見たら、羨ましいことだらけの
リョウさんも、実際、色々大変みたいだ。
ヒガシはハゲ散らかしとるし。
タカは・・・もう、いない。

なんか俺だけ、金もないし、
女も子供もいないし、
人生外れたような気がしとったけど、
人生って、それぞれなんだな・・・

大学卒業から約10年・・・
みな、それぞれの道を必死に歩んでる。
さぁ、俺も頑張るぞ!