ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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新メンバー参戦!

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 昨日は、大家さんとのカラオケ練習日。
当日、ヒロセがイケメン大学生のタクマも
誘おうと言い出した。
また勝手に・・・
そりゃ、大家さんも、他の子も、
連れてきていいって言ってたけど・・・

「タクマ~、今日カラオケ行かん?」

「え~カラオケ??誰がくんの?」

「コイツと俺と俺の大家さん」

「・・・は?」

まぁ、そりゃそうなるわな・・・

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「いや・・・俺の大家さんが
 カラオケ大会のために、
 歌を教えて欲しいっていうことでね・・・」

「・・・ふ~ん」

タクマはあんまり
乗り気じゃなさそうだ。
まぁ、大家さんとカラオケに行くとか
普通に考えて謎すぎるもんな・・・

すると、横にいたヒロセも加勢してくる。

「まぁ、確かに、メンバーは
 変な組み合わせやけど、
 大家さんに、ご飯も
 オゴッてもらえるんやで~」

「はぁ~じゃぁ、まぁ行くか・・・」

・・・いや!!なにが、
『じゃぁ、まぁ行くか』だぁ!
そんな無理して来なくてもいいんだけどっ!

いつものガストで大家さんと
ご飯を食べている最中も
タクマはテンションが低く、
大家さんが何か話しかけても、

「そうっスね・・・」

と、めんどくさそうに返事するだけ。
ちょ・・・なんだよ、
初対面の大家さんの前で、
しかも飯オゴってくれてるのに、
ちょっと失礼でないかい??
俺はタクマの態度にイライラしていた。

「遅くなり申し訳ありません」

その時、白いコートを着た
若い女性が
俺たちのテーブルに近づいてくる。

・・・いや、誰?!???

「おぉ~。サヨちゃん!座って座って」

「失礼致します」

その女性は、上品にお辞儀して、
俺の隣に座る。
なかなか端正な顔立ちをしているが、
目は切れ長でキリッとしており、
ちょっとキツそうだ・・・
そして、立ち振る舞いが
なんだか全部かしこまってる・・・

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ヒロセがたまらず、
大家さんに問いただす。

「大家さん、この方は
 どちらさんでしょ?」

「ん?私のアパートの住人だよ?」

「え?」

こんな人・・・
俺のアパートで見かけたことないけど?

「あー、私は、オノ君のとこ以外に
 もう一つ、女子寮持っててね」

「じょじょ女子寮???」

「うん、そこの女子大生。
 今日誘ってみたんだよ」

どうやら、このサヨちゃん、
家がお堅い家らしく、
日本舞踊か何かをやっているらしい。
どーりで、動作が畏まってるのか。

「オノ君も、私が風邪引いてた時、
 お雑煮作ってくれたりしたけど、
 サヨちゃんも、家の掃除とか
 してくれたんだよ。
 みんな仲良くしてあげてね」

「よろしくお願い申し上げます」

かたいっ・・・

挨拶もそこそこにして、
サヨちゃんを加えた5人で
カラオケボックスに入る。
すると、入るや否や、
今までテンションの低かったタクマが
いきなりマイクをとる。

「おーし!じゃぁまずは!
 俺が行きますか!」

タクマ?!!!
サヨちゃん来てから、
あからさまに元気になってない??

そうだった、コイツの原動力は女の子。
いいとこを見せようと・・・。
でも、これは、
大家さんの練習で来てるんだから・・・
俺がタクマを止めようとすると、
大家さんがニッコリと笑う。

「いや、いいいい。とりあえず、
 私は、ゆっくり曲選ぶから
 好きなの歌っていいよ」

「それなら・・・」

そして、自信満々にタクマが入れた曲は、
米津玄師の「Lemon」。
うわ~、おもいっきし最近の曲!
サヨちゃんを完全に意識してんな・・・。

♪夢ぇならばぁ~~~
 どぉれほどぉ良ぉかったでしょうぉ~

うん・・・上手い。
上手いんだけど、、、
ちょっと気合入り過ぎじゃないか?

♪あの日ぃの悲しみぃぃさえぇ~
 あの日ぃの苦しみぃさえぇ~

・・・なんだか、やり過ぎたラルクの
モノマネのような歌い方に聞こえる・・・。
マイクを持つ手も小指立ってるし・・・

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パチパチパチ。
一曲歌いあげたタクマは、
どうだと言わんばかりにマイクを置き、
サヨちゃんに話しかける。

「サヨちゃん、米津玄師、聞く?」

「いえ、存じ上げませんね」

「え・・・」

・・・バァカめぇぇぇぇ!!!!
こんな古風な女性が、
最近の曲聞くわけねぇだろっ!