ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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一人カラオケ

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♪ウィ~ア~ザ   
チャンピオ~~~~~ン!!!

演劇フリーターのヒロセが
また歌っている。
『ボヘミアン・ラプソディ」の影響すげーなぁ・・・

「あぁ~~!!QUEENええわぁ~~!!!」

「そんなにハマったんだ?」

「そりゃもう!!!
 ここんとこ、3日連続で
 行ってもうたからね!」

「どこに?」

「一人カラオケや!!!」

一人カラオケ・・・
俺も、昔は、よく一人で
カラオケオールして満足してたなぁ・・・

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でも・・・最近、
久しぶりに一人カラオケした時、
気づいてしまった。

つまんねぇ・・・って。

なんかつまんな過ぎて、
30分もしないうちに帰っちゃった。

「でも、一人だと飽きてこん?」

「へ?なに言うてん、飽きひん飽きひん!
 好きな曲とかマイナーな曲を思う存分、
 歌えるんやで??
 一人カラオケ最高!!!」

ヒロセは笑って一蹴する。

「もう毎日行かへんと気が済まへんわ。
 マストよ!マスト!
 ハハ!今日も行かなぁ~!!

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おまえ、4日連続で
一人カラオケ行く気かよ・・・

「せや!!しゃーないから、
 ぺらいっちも一緒に来てもええよ?」

「いや、俺は、明日も行くからなぁ・・・」

「は?!誰と?!!」

「いや・・・大家さんと」

「・・・へ~~そうなんや~~~!
 アレ?結構ちょくちょく行ってんや?」

「いや、大家さんこの前まで、
 風邪引いてて、昨日復帰戦」

すると、ヒロセがボソッとつぶやつ。

「・・・ほな明日、俺も行こか・・・?」

やっぱり誰かと行きたいんじゃん・・・

「あ!お前、飯食いてぇだけだろ~??」

「そないなことあらへん!
 いや、まぁもちろん

 それもアレやけど!」

「・・・ホントは寂しいんでしょ?」

「は?そんなわけあらへん!」

なかなか認めようとしないヒロセを
俺は少しイジメたくなってきた・・・

「じゃぁ一人カラオケでいいじゃん」

「いや、まぁ・・・
 俺の魂のソウルを誰かに
 聞かせてやってもええ
 思うてやなぁ!!」

「でもQUEENばっか歌えんよ?」

「それはまぁ・・・我慢したるわ!」

「いや、そんな無理して
 来てくれるんなら
大丈夫」

「いや、そんなもん、かまへん!かまへん!」

「いや、うん。大丈夫大丈夫」

「サ、ビ、しいぃぃの!!!!!」

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ハハ・・・
最初っからそう言えばいいのに。
ちょっとイジメ過ぎたか・・・

ま、大家さん、
ヒロセのこと気に入ってたから、
ヒロセが行くと大家さんも喜ぶだろう。

「・・・オッケー。じゃぁ明日10時からね」

「ヤッター!!!」

子供のように飛び上がって喜ぶヒロセ。

そうか・・やっぱり、
ヒロセも先月大家さんとのカラオケが
よっぽど楽しかったんだ。