ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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クリスマスイブじゃけど

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「♪ クッリスマスがぁ~ 
  ことしもぉ~ やってくるぅ~」

今日はマルオがやたらとうるさい。

「トミーさん、back numberの
 クリスマスソングって
 どんなんじゃったっけ?」

「忘れた・・・」

トミーはぶっきらぼうに答えている。

今日は、クリスマスイブ。
東京ドームでは、
嵐のライブがあって、
バイト先の居酒屋も結構忙しい。
こんな日に、バイトしているのは、
俺とマルオとトミーの
彼女がいない組くらい。

「他にクリスマスソングいうたら、
 何があったかのぉ~?」

「・・・」

「・・・」

黙々と仕事をする俺とトミーの後ろで
マルオは一人呟いている。

「あ、そうじゃ!!
 ♪ クリスマスキャロルがぁ~ 
  流れる頃には~」

「・・・」

「・・・」

「あとはぁ・・・
 ♪ クリスマスなんてぇ~
  だ い きらいさぁ~」

マルオは、完全無視の俺たちにかまわず、
一人、クリスマスソングを
ワンフレーズずつ歌っている。

「洋楽なら・・・そうじゃ!
♪ラ~スト クリッスマ~ス アゲビュマイハ~」

そこで、トミーがしびれを切らす。

「おい!!!!!
 うるさいよ!
 クリスマスソングばっか歌うなよ!!」

「・・・だって!!!
 イブですよ!!!
 クリスマスイブ!!!
 イブじゃいうのに・・・
 バイトなんて・・・
 ちぃとでもイブ感が欲しいんよ!!」

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「バカ!!
 イブを意識したら負けだろ!
 歌えば歌うほど、寂しくなるんだよ!」

「・・・」

トミーに一喝され、
大人しくなったマルオが
俺に助けを求めてくる。

「ぺらいちさ~ん・・・」

俺はと言えば・・・
そりゃぁ、確かに一緒に
過ごす相手がいればとは思うけど、
寂しいなんて
意地でも言いたくない・・・

「いや~、イブってそんなに重要?
 俺は、もうここ数年、一人じゃけぇ、
 あんま気にならんくなったわ~!」

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俺が明るく答えると、
マルオが静かに漏らす。

「・・・・・・なんか
 そっちの方が寂しいのぉ・・・」

「・・・・」