ファッションセンスがねぇ!
「おはようございます~」
「あ、おはよう~」
ほうほう。
最近の俺の楽しみと言えば、
さりげなく出勤するときの
アンナの私服をチェックすることだ。
さすが、ファッションの専門学校に
通っているだけあって、
いつもオシャレだ。
今日もショートの
デニムスカート(って言うの?)
がキマッてる・・・
「お、さすが変態っスね~」
タクマだ。
いまや俺の恋を応援してくれている
イケメン恋愛アドバイザー。
「いや、ファッションチェック
してただけだし!」
「ぺらいっちは、基本ダっサいスよね~
ヨレヨレのシャツばっか着てるし」
え?てか俺って、
そんな風に思われてたの?
ちょっとショック・・・。
「う、うるさいな。
俺は飾らないところがいいとこなの!」
「そんなんだと、アンナにも
嫌われちゃいますよ?」
たたしかに・・・
俺なんていつも上下、GUの安いやつ。
しかも基本、気に入った服を
連続で着続けるので、
すぐヨレヨレになる。
服にお金をかけるほど
余裕がないというのもあるが、
昔から、ファッションに
全くと言っていいほど
興味がなかった・・・。
だが、そうも言っては
いられないかもしれん。
アンナはファッションの専門学生。
ヨレヨレのシャツなんか
着ているやつと一緒に歩きたくは
ないはずだ・・・
そして俺は久しぶりに、
ちょっと高めの服を買った。
シャツ一枚だけど。
ワンポイントで、胸に英語と
キャラクターのロゴが
描いてあるシンプルなロングTシャツ。
うん。ただのシャツといっても、
やっぱり新しいのは気分も上がる。
今日はこれでバイトに行こう。
「え?どうしたんすかその服?」
「買ったんすか?」
「まぁね」
ふぅ・・・
心なしかみんなの俺を見る目も
いつもと違う気がする。
うん。アンナにも見てもらおう。
「えーー?なんて書いてあるのこの英語?
ダッサーw」
あれ・・・・・
「しかもなに、
このおそ松くんみたいなキャラw」
めっちゃ、恥ずい。
センスのない俺には
所詮無理だった・・・
「今度、私が選んであげますよ」
「え??!!ホントに?」
俺・・・センスなくて良かったかも。