ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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恋愛マスター

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あ、アンナが来た・・・。

「ぺらいちさん、おはようございます」

「あ・・・、お、おう」

ハァ・・・またやっちゃったよ・・・。

 

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昔から好きな子ができると、
妙に意識しすぎて、
話しかけられなくなってしまう。
逆にあちらから話しかけられても、
緊張して、ぶっきらぼう
接し方しかできないし。

「はぁ~~眠い・・・」

この前、バイトに入ってきたタクマだ。
髪はオレンジで、坂口健太郎
ちょっと似ているイケメン。

「いや~、おれ今日、
 ブクロのラブホから出勤なんスよ~」

「へ~」

いや、聞いてねーし。
タクマは見た目通りチャラく、
いつも自信満々のカッコマンだ。

「元カノとなんスけど。
 あいつ求めすぎ!
結局朝までっすよ?
 もう疲れましたよ~」

「そうなんだ~、そりゃ疲れるね・・・」

いつも聞いてもいないのに
自慢話を始めるし、
正直言ってイケ好かないが・・・
俺もこいつみたいに
自信満々になれたらな・・・。

「ハハ、分かってますよ」

「は?何が?」

「ぺらいちさん、
 アンナのこと
 好きなんじゃないんスか」

「え・・・」

「モロバレっスよ」 

「な、なんで?」

すると、タクマの表情が一変する。

「人の気持ち分からないで、
 人を愛せますか?」


タクマの真剣な表情は、
なんだか不思議な説得力がある。
たぶんイケメンマジックだ。
こういうギャップに
女の子はやられるのかなぁ・・・。 

「おれヘルプしてあげましょうか?
 恋愛に協力者は必須っスよ。」

確かにタクマは、
明らかに俺より経験豊富そうだし、
アンナとも年が近いから気持ちも
わかるかもしれない。
それに俺は、好きな子ができると
周りから攻めるタイプ。
タクマはまた笑顔になり、
真っ白な歯を
剥き出しにしながら笑っている。

「任せなさいって!
 おれ、恋愛マスターっスから!」

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やっぱり不安・・・

そうして半ば強引に、
自称“恋愛マスター”タクマは
俺の恋愛アドバイザーに就任した。