敏感なタカコさん2~ずっと〇〇な人~
「イグサだわ~」
また、タカコさんだ・・・
あれからタカコさんは、俺に会うたびに
イグサイグサを連呼する。
人の匂いを嗅いでイグサイグサって、
いい加減にしてほしい。
「もうずっとそれ言うの、やめてくださいよ~!
タカコさんが匂いに
敏感過ぎなんですって~!」
すると、タカコさんは、
すぐさま応戦してくる。
「でも、心理学的には
『人の印象を決定づける一番の要因が匂い』
っていうくらいなのよ!」
「ホントですかぁ??」
「山中教授が言ってたわよ」
「山中教授って、iPS細胞の?」
「そうそう。教授によると、
見た目や性格は二の次なんだってよ」
「へ~・・・」
しまった・・・
火を付けてしまったかもしれない。
タカコさんは、腕を組みながら、
なおも俺に説明する。
「人って、一度でも「臭い人」って認識したら、
その人見るたびに脳が自動的に
「臭い」って記憶を
呼び起こすようになってるんだって!」
「は~・・・」
「つまり!『臭い』って印象を
一度与えたアナタは、
ずっと『臭い』人なのよ!!」
ドヤられたーーー・・・!!!
そんなぁ。ずっと臭い人なんて・・・
くそぉ・・・
でも、匂いがそんなに、
人の印象を左右しているとは・・・
もう少し、気を付けなければ、
女の子に嫌われる・・・?!
そう思うと、なんだかいつもより気になってきた。
クンクン。
うわ~。やっぱ俺ちょっと臭い・・・かも?
もしかして洗濯物を部屋干ししてたからなぁ・・・