サンシャイン デート
この前、服を選んでくれた
お礼と称して、
アンナを食事に誘ったところ・・・
「え?いいんですか~?
ありがとうございます~!!」
ヤッタ!!!
でも、普通の居酒屋でいいのかな?
でも汚い居酒屋とかじゃぁ、
雰囲気出ないし・・・
おれ、アンナよりかなり年上だし・・・
カッコイイとこ見せたいし・・・
なにより・・・アンナを喜ばせたいし。
色々と試行錯誤の末、
気づいたら、池袋のサンシャインの
夜景が見えるフレンチレストランの
コースを予約してしまっていた。
正直もうちょっと気軽なとこに
すれば良かったかな。
カップルならまだしも・・・
まだ付き合ってもいないのに
いきなりレストランは
重過ぎるような・・・
でも!逆にサプライズで
喜んでくれる!・・・はず。
うん!!ここは大人の魅力を。
作戦はこうだ。
まだなにも予約とかしてないフリして、
どこ行きたい~?とか聞きながら
歩いていくうちに、実は、
オシャレなレストラン予約してて
わぁ~~ステキ!!!・・・みたいな。
うん。イケる。
そして、当日、
夜7時、池袋の駅で待ち合わせ。
俺は、緊張して30分前に着いたけど、
アンナは、10分遅れくらいで到着。
「すみませんっ。
友達の買い物が長引いちゃって」
「あ、そうなんだ~。大丈夫大丈夫」
「あ、この前のコート着てる~!
似合ってますよ」
「そうそう、どうだった?学校の課題は?」
「あ、おかげさまで課題提出できました~」
「それはよかった~」
そんなことを話しながら、
俺は、予定通り、
予約したレストランのある
サンシャインの方向に歩いていく。
「どこ食べに行きます?」
「ん~?どこ行きたい?」
「どこでもいいですよ~」
「そっかぁ~」
「あ、アタシ安い居酒屋知ってますよ!」
「あ~居酒屋かぁ~。
でも、せっかくだし
美味い飯食いたくね?」
「え~ぺらいちさん、
お金無いんじゃないですか~?
無理しなくていいですよ~。
アタシ、なんか高そうなとことか苦手だし。
よくいるじゃないですか~
彼氏でもないのに
無駄にムードあって高いとこ
連れて行こうとする人。苦手だわ~~ハハハ」
え・・・
「ははは・・・そう・・・なんだぁ~」
「あ、丁度あそこの通りに、
友達がバイトしてる居酒屋ありますよ~
そこにします?」
アンナはそちらの方に歩いていく。
やばい。このままでは店に入ってしまう。
「実は・・・もう予約してるんだよね・・・」
「え??そうなんですか?」
「うん」
そして、サンシャイン60に到着。
「ここ・・・ですか?」
アンナは絶句している。
ヤバイ・・・・・・
そうだ、食事券が当たったことにしよう。
それならアンナも気軽に食べれるはず。
「いや、実は・・・
食事券が当たったんだよね~ちょうど・・・」
う~ん、苦しい言い訳だ・・・
「いや、絶対ウソでしょ・・・」
「・・・うん、ごめん」
「いや、なんで謝るんですか、
あ、アタシがあんなこと
言ったからか・・・ハハ」
「・・・」
「・・・」
気まずい沈黙だ・・・。
店内もムードたっぷり・・・。
「なんかカップルばっかですね・・・」
「そうだね・・・」
それはそれはもう
キレイな夜景が見える見える。
池袋の夜景がこんなにキレイだったなんて・・・
料理の内容も、一応安いコース
選んだつもりなのに、
さすがフレンチ。
キャビアが出てくるわ、
トリュフが出てくるわ・・・。
でもぜんっぜん、味わえない・・・
やばい・・・終わったわ・・・
何を話しても、
全然盛り上げられない・・・
すると、俺の様子を察したのか、
アンナが口を開く。
「いや、あんなこと言ったけど!
無理させたら悪いなと思って・・・
実際、嬉しいです!ほら!夜景綺麗だし!」
うわ~・・完全に気を使わせてる・・・。
「でもムードあるの、嫌いなんだよね・・・」
「アハハ!!そうですよ~!次は
普通の居酒屋にしてくださいよ!!」
・・・ん?次?
ということは、
次もまだチャンスがあるってこと??!!
ヤッター!!!