ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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差し入れ

 

今日は久々の休みで、
朝からフラっとパチンコに行ったら、
なんだかツキまくりで、
出るわ出るわ。

普段は全部お金に換えるけど、
今日はなんだか
良い事をしたい気分だ。

そうだ。バイトの大学生たちに、
差入れでも持っていこう。
普段先輩らしいこと
なんもできてないしな。

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俺は、パチンコ屋の景品の
お菓子が大量に入った袋を持って、
バイト先に向かう。

休憩所に着くと、まだランチの時間
が終わってないのか、誰もいない。

もよおしてきたので、とりあえず
袋を机に置いてトイレに。

俺がトイレで踏ん張っていると、
ランチを終えた大学生たちが
戻ってきたらしく、
休憩所の方がガヤガヤしてくる。

「ウソ?!!!
 なにこれ?!差入れ?」
「めっちゃあるじゃーーん!!」

お、騒いでる騒いでる。

「え~、誰~?超優しくない?」

あ、オレオレ。
俺が持ってきましたよ~。

やっぱ良い事をすると気持ちがイイ。
みんなも喜んでくれるし気分も最高。

俺はトイレを切り上げ、
休憩所に颯爽と向かう。

すると、ふいに後ろから
呼び止められた。

「あれ?ペライチさん?」
「おう、カサハラ」

カサハラは、親が外資系の役員クラス
だとかで、ブランドのことなど
良く知らない俺でも分かるような、
質のいい服や靴、高そうなバッグや
時計を、いつも身に着けている。

カサハラは、何やらキレイな紙袋を
手にしている。

「あ、これGODIVAの差入れです」

 

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「え・・・?」

いやいやいや、
それ最高級のチョコやんけ!

なんで今日~~~~~~!!

GODIVAなんか出されたら、
俺はどんな顔してパチ屋の景品の
お菓子を渡せばいいんだよ。

くそぉ、余計なことを・・・。

俺はカサハラの後ろに隠れるように
休憩所に入っていく。

カサハラは、一箱何千円もしそうな
GODIVAのチョコレートを
何箱も机に広げていく。

「えー!?カサハラ、
 どしたのこれ!?」
「なんか新作が出てたんで
 買っちゃいました。
 みんなで食べてください」
「やった~~~!」
「うわっ!ウマすぎーーー!!」

俺が机に置いていた袋は、
いつの間にか部屋の隅に
追いやられ、未開封のポッキーや
たけのこの里が、忘れ去られた
ように散乱している。

「あれ?ペラさん食べないんですか?」
「あ、うん・・・」

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俺のイマイチな人生を
象徴しているかのような事件だった。