ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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奇妙な共同生活

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ピンポーン。

夜遅くに家のチャイムが鳴る。
ドアを開けると、
派遣社員のハマーンが立っている。

「お~オノ~。わりぃが泊めてくれ」

「はぁ?」

どうやら競艇狂いのハマーンは、
家賃を滞納しすぎて
大家から追い出されたという噂は
本当だったらしい。
居候する場所を探していると聞いていたが・・・
でもどうやって俺んちが分かったんだ?

「店長に聞いたよぉ~」

なにぃぃぃ?
店長め・・・
俺に面倒ごとをなすりつけたな・・・。

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「いや、うちはちょっとムリです」

「え~~頼むよ~」

なんで俺がこんな図体のデカいオッサンを
うちに泊めなきゃならねんだ。

「いや、俺んち狭いですし・・・」

「大丈夫だよ~~・・・」

大丈夫じゃない。そんな巨体が入ったら、
六畳一間が一瞬で埋まってしまうだろうが。
絶対嫌だ。いつまで居られるかわかんないし。
こんなオッサンと一緒に寝るなんて
たまったもんじゃない。
そんな悲しそうな顔してもダメ!
自業自得なんだから!
 
「お願いだよぉ~2,3日でいいから。」

「いや、俺んち狭いですし・・・」

しつこいな・・・早く帰ってくれよ。

「じゃぁ、今度女の子紹介するからさ」

「はぁ?」

ハマーンがおもむろにスマホを開き、
写真を見せてくる。
どうせ、ガールズバーの女だろ。

「えええ?!」

ハマーンに寄り添って
ピースしている若い女性。
とてつもなくかわいい・・・
石原さとみ似の美女だ。

「前の職場の子。25歳よ。
 彼氏いないし。オノに丁度いいでしょ」

「・・・いや、そんなんいいすから。」

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と言いつつも写真の美女を
まじまじと見つめる俺。
前の職場?なんでこんな美女が
ハマーンと・・・?
確かにハマーンはどこか
マスコット的なキャラクターでもあり、
女子からは意外と人気があったりもするが・・・。

「ちょっと!」

俺が写真に気を取られている隙に、
ハマーンはいつのまにか家の敷居を跨いでいる。

「いいでしょ。2、3日だけ!
 ゼッタイ紹介するからぁ~」

「いや、そんなんいいですから!」

ズンズンと迫ってくるハマーンの巨体を
押し返そうとするが、もはや止められない。
というか、どこか美女を
あわよくば紹介してもらえる
という思いがよぎって、腕に力が入らない。

「かわいいよ!巨乳だよ!」

「もぉ~紹介とかいいですから~」

そう言いながらも、
結局ハマーンを家に引き入れてしまう俺。

しょうがない。
こうなったら2,3日の我慢だ。

「もうっ!・・・
 ゼッタイ紹介してくださいよ!!」

「はいよ~」

かくして、年明け早々、
俺とハマーンの
奇妙な共同生活が始まった。