男らしさアピール
「う“~~んん」
新入生の中で一番可愛いと評判の
大学生マリが棚の上のグラスを取ろうと、
小さな体と手を思いっきり伸ばしている。
しかし、全く届かず、今度は踏み台を
持ってきて取ろうとするが、それでも届かない。
「ぺらいちさぁ~ん、取ってくれませんかぁ?」
マリが甘えた声を出す。
こういう時、背が高いというのは役に立つ。
ひょいっとグラスを取ってマリに渡す。
「はいよ」
「わぁ~ありがとうございます!
背が高くていいなぁ~」
「別にこんなの、なんでもないよ」
照れながらもまんざらでもない。
それに、女の子に“ぺらいちさん”って
呼ばれるの、悪くないな・・・。
別の日。
「う“~~ん」
マリがまた唸っているので、覗いてみると
キャップ式のワインのフタが固くて
開けられないようだ。
マリは振り返って、俺を上目遣いで見る。
「ぺらいちさ~ん、開けられますぅ?」
「ええよ」
そんなの楽勝~~。
しかし、いざ開けようとすると、回らない。
さらに力を入れるが、ピクリともしない。
「あれ?」
マリが苦笑いしながら俺を見ている。
「ちょっと手に油が・・・」
手を拭くフリをして、心を落ち着け・・・
渾身の力を入れる。
ん“~~~~~~!!
ダメだ、ムリ・・・・・・。
苦々しい顔で見るマリの目がイタイ。
まあさ、これ硬すぎだし。
誰がやってもムリ、、でしょ。
「ごめん、これムリだわ・・・」
「え~、ダメですか~」
そう言いながら、マリが軽くフタをひねった。
カリッ!
「あっ! 開きましたっ!」
「あ・・・・・・」