ぺらいち君のイマイチ人生

~東京ドームから徒歩5分~

ぺらいち君のイマイチ人生~東京ドームから徒歩5分~

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俺は変態じゃねぇっ!!!

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俺は変態なのだろうか?

例えば自分の好きなアイドルのライブに
行ったとする。
そこで運良く最前列に座れたとして、
アイドルの汗が飛び散ってきたら、
嬉しいものではないだろうか?
いや、自分の憧れの人だったら、
むしろ自分から浴びに行きたいくらいではないだろうか?
そのことをトミーに何気なく聞いてみる。

「・・・それはないっすね」

「え?」

そこからは完全に変態扱い。

「いや、それはマジ変態ですって!」

「はぁ?俺は変態じゃねー!!!」


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ウソだろ?なんでだ?
おれがおかしいのか?俺は変態なのか?
憧れの存在だったら、
汗でも何でもかかったら嬉しいでしょ?!

「でも、汗ですよ。」

「うん、ファンなら
 お金出して買っちゃうレベルじゃないの?」

「いや、もはやそれは変質者ですよ」

いやいやいや!
そんなんファンとは言えんだろう!
くそ、誰か俺が変態じゃない
ということを証言してくれ!

と、そこへ通りかかったのはアンナ。
K‐POP熱は冷めたらしいけど、
確かジャニーズも好きだった。
そうだ!
アンナにも聞いてみよう。

「アンナ!ジャニーズ好きだったよね?」

「まぁ、好きですけど」

ジャニーズファンなら俺の気持ちは分かるはず!

「ライブでさ、
 嵐のニノの汗がかかったら嬉しいよね?!」

「・・・?」

アンナはポカンとしている。

「いや、だからさ。
 ニノの汗がもしグッズで
 売ってたら買うよね?!」

「え???キモっ」

そしてアンナは俺を
避ける様に通り過ぎ、去っていく。

ええええええええええええええ!
え???ヤバイ!
てか俺、何言ってんだ?
恥ず過ぎるっ!!
冷静になって考えてみると、
なんで自分でもそんなことを
アンナに聞いたのか分からない・・・

・・・でも、アンナって
嫌そうな顔しても
やっぱりカワイイな・・・

キモっっっっっ・・・
キモっっっ・・・
キモっ・・・・
冷たい目のアンナが発した言葉が
俺の頭の中でリフレインする。

・・・うん、悪くない・・・

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キモイとなじられて喜ぶ俺は
やっぱり変態なのかもしれない。


〇〇まん

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「あいつの彼女、
  絶対『サゲまん』だよな~」

店長は、休憩所で寝ている
ヒロセを指さしている。

「あいつ、いっつも寝てるじゃん?」

「まぁ、そうですね」

「毎晩彼女が求めてくるらしいよ。
 それも2回も3回も」

「え?!」

羨ましいやら妬ましいやら。
でも毎晩はさすがに疲れるな・・・。

「まぁ、ラブラブって証拠じゃないですか。」

「いや、最初だけだよ。
 結婚したら一気に冷めるから」


 う~ん、店長が言うと
妙に説得力があるな・・・。

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「そうだ!オノ君!
 おれ嫁と離婚することにしたから!」



あ~店長のいつものが始まった。
店長はいつも
奥さんの愚痴を言っては、
離婚する!を繰り返している。

「またまた~」

「いや、もうこれ以上は待てない!
 だってさ!聞いてよ!
 娘の成績が悪いのを
 俺のDNAのせいにするんだよ?!」

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え~~・・・

「おまえのDNAも
 入ってるっちゅーんだよ!!!ねぇ?!」

「あぁ・・」

「もう頭きたから、
 勢いで弁護士に電話しちゃったよ!」

「え!!!
 娘が成人してからって
 言ってませんでしたっけ?」

「いいんだよ!もう!
 俺は俺の人生を取り戻す!」

店長は興奮気味にそう言い切ったものの、
どこか浮かない顔をしている。

「ただ一つ・・・問題があるんだよね」

「なんですか?」

「俺さぁ・・・」

店長は、自分の過去を語りだす。
昔、店長は、なにをやってもダメで、
脱サラ後、自分で始めた雑貨店も
経営難で潰してしまったらしい。
その借金で途方にくれている時に、
奥さんと付き合い始め、
それ以来、仕事がうまくいくわ、
お金は入ってくるわ・・・。
結婚して入社した今の会社でも、
あれよあれよと同期を抜き去り、
出世街道をひた走ってきたらしい。

「そう。悔しいけど完全に
 『アゲまん』なんだよね・・・」

「じゃぁ・・・
 奥さんと別れたら
 仕事がダメになる・・・?」

「止めてー!!!それは言わないで!」

 



あ“~~~~!!!!

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カープが負けた・・・

未だ、気持ちが落ち着かない。

口惜しい。ほんとに口惜しい!!!

初回の菊池の送りバント
決まっていれば・・・
その後の田中の盗塁が決まっていれば・・・
2回のノーアウト1、2塁のチャンスで
先制点を奪えていれば・・・
うああああああ

でも・・・
正直、ソフトバンク
文句なしに強かった・・・
特に、MVPも獲得した甲斐拓也選手。
結局、6度の盗塁を
「甲斐キャノン」に全部、阻止され、
チャンスの芽を摘まれた。
カープは甲斐選手に負けたと
言っても過言ではない気がする。
あの強肩に加え、リードも良い。
育成の選手とは思えん・・・
どこに隠しとったんじゃ!

ただでさえ、ホークスのピッチャー陣は、
強者ぞろいなのに。
武田翔太がリリーフにおる
とか卑怯じゃろ!

強い・・・

それでもなんとか
奇跡を起こしてくれると信じてたけど、
付け入る隙がなかった・・・

最後、テレビは
カープ鈴木誠也選手が
アウトになる瞬間を映していた。
そして、その瞬間を見つめる
ベンチの新井サンや、緒方監督の表情。
終わった・・・と。

それを見ていたら、
思わず涙が出てきた。
自分の事のように口惜しい。

今でこそ、セ・リーグ3連覇する
ほどの強いチームになったけど、
少し前までは、ほんとに弱かった。
俺も小さい頃から
5位とか6位のBクラスを
ウロウロしてるカープしか
記憶になかった。
そんな弱いチームでも、
球場で、テレビの前で、
一喜一憂しながら応援していた。
そのチームが、
日本一という栄光を
掴み取れるかもしれない。

もしかしたら、俺は
どこか自分に
重ね合わせていたのかもしれない。
自分も負けてばかりのイマイチ人生・・・
そこからどうにか這い上がって、
何かを掴み取りたい、と。
そんな夢をカープというチームや
選手に託し、
その勇姿を見せてくれ!・・・と。

今回は、負けてしまったけど、
カープはこれで終わりじゃない。
来年、そしてその先も続いていく。
俺も。

そんなこと言っても、
まだまだ悔しさは消えないけど、
でも・・・
カープも頑張ってくれた。
勇気と感動をもらった。
ありがとう!

緒方監督、選手、
コーチや裏方のみなさん、
1年間お疲れ様!!!

俺もあきらめない!
だから、
カープもまだ頑張ってくれ――――!!!


冴えないオジサン

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平日の昼下がりの出来事。
俺は五反田にある歯医者に行こうと
山手線に乗りこんだ。
すると同時に、男女が乗り込んできて、
ちょうど俺の向かいの席に座る。
男の方は、上下黒のジャージを着た
50代くらいの冴えないオジサン。
そのオジサンに腕を組んで
寄り添っている女の人は、
モデルのような美人で30代前半か、
それより若く見える。

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(羨ましいなぁ。
 でもこんなオジサンの
 どこがいいんだろ?)

そんなことを思いながら
スマホに目を移してしばらくすると、
目の前のオジサンがふいに叫び声を出す。

「ウオッ!!」

見ると、オジサンが
両手で目の前の何かを振り払っている。
かと思うとバっと立ち上がり、
のけぞったり、
頭をブンブン振っている。

「くそっ、なんだよっ!!!」

オジサンの隣の女の人も
キョトンとしてオジサンを見ている。

(何やってんだ、この人?)

オジサンはやっと落ち着いたかと思うと、
フゥーと息をつきながら座席に戻る。
するとふいに俺の目の前を
黒い影が通過する。

ブーーーーーン

なるほど、どうやら、
ハチのような虫が飛んでいたらしい。
しかも結構大きめ。
俺は、右手でブンっと虫を追い払うと、
虫はオジサンの方に戻っていく。

「うぉっ!」

虫はおじさんの黒色ジャージに
執着するようにまとわりついている。

「ひぃぃっ!!」

ついには、
すっとんきょーな悲鳴をあげ、
慌てふためくオジサン。

「も~なんなんだよ~!」

虫の居場所を見失ったオジサンは
いきなりジャージを脱ぎだす。

(うわ・・ダッセーw)

俺も思わず吹き出して笑ってしまう。
しかし、オジサンがジャージを
女の人に渡すと、そこには、
白のタンクトップから
むき出しになった逞しい腕と、
そこにビッシリと描かれた入れ墨が。

(ゲ・・・マジもんやん・・・)


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俺は咄嗟にオジサンから目を逸らし、
真顔で静かに座り直すがもう遅い。
視界の隅でオジサンが
女の人に何やら
耳打ちしているのが見える。

(やばい・・・)

「誰だ?笑ってたのは。あいつか?」

そんなことを話しているのだろうか・・・

そこから
知らんぷりして待つ五反田までの
5分間が俺には
死ぬほど長く感じられた・・・。


力が入らん・・・

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今日はもうガックリで、
力が入らない・・・。

そう・・・広島カープが3連敗。
日本シリーズ
先に4勝したほうが勝ちなので、
もうあとがない。

僕がこのブログに書いた選手や、
チームが、その直後
いきなり不調に陥るという
記事を以前、書きましたが、
(僕のまゆつば話に
 興味がある方は、こちら)

peraichikun.hatenablog.com


今日は、もう、そんなこと関係ねぇ!
カープのことを書かずにはいられない!
もう、カープすでに
不調だしね・・・!!! 

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うう・・・
今日は、やっとシリーズ不調の丸が
逆転ホームランを打って
よっしゃぁ!今日はイケる!!
と思ったのに・・・。
サヨナラホームランで負けるなんて・・
中崎・・・
いつもヒヤヒヤさせられてたけど・・・

なんしょんねん!!!

いや、打ったギータ(柳田選手)も
すごいんだけど・・・
バット折りながらホームラン
なんて聞いたことない。

なんと2014年以降、
セ・リーグの代表チームは
パ・リーグの本拠地で勝ってなくて、
これで13連敗らしい。
セ・リーグのチームにとっては
屈辱的な記録をまた更新してしまった・・・。

でも明日からの日本シリーズ第6戦は、
カープのホーム、
マツダスタジアムでの対戦。
今シーズンのカープ
ホームでの強さは異常で、
実にホームでの勝率が64%。
スタンドは真っ赤に染まり、
やはり、カープ有利!!!
・・・と思いたいのだが、

正直、一昨年の悪夢が蘇る・・・


一昨年の日本シリーズは、
ホームのマツダスタジアムで2連勝して
イケイケで日本ハムの本拠地、
北海道に乗り込んだが、
そこでまさかの3連敗。
その後、広島に帰ってきて、
ホームで逆襲するはずが、
10-4の大敗・・・。

うーん、今回も全く同じ道を
歩んでいるような・・・
マズい流れだ。

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でも!ここでこそ、
“逆転”のカープを見せてほしい!

ギャンブルで負けてばかりの
俺が言うのもなんだが、
勝負事って、流れが
とても大事だと思う。
パチンコや競馬では、
負けた分を取り返そうと
すればするほど
ドツボにはまっていくし・・・。

こういう悪い流れのときって
どうすればいいんだろう。

やっぱり、初心に帰ること?

そういえば、ここにきて
今シーズンで引退する新井サンの
存在感が薄くなってきている
ような気がする。

日本一へのモチベーションとして、
今期で引退する新井さんに花道を・・・
ってはずだったのに・・・

う~ん。
ここは新井サン先発!!!
とか思い切った作戦もアリかも?

とにかく!!
新井サンと1試合でも
長く試合するためにも、
このままでは終われんぞ!カープ!!!
まだまだ「宮島さん」を
いっぱい聞かせてくれ!!!

カープが得点すると、
 この「宮島さん」という応援歌を
 ファンたちは歌います)

「宮島さん」

宮島さんの神主が~

おみくじ引いて申すには~

今日もカープは勝ち勝ち勝ち勝ち~

オーワッショイ ワッショイ

オーワッショイ ワッショイ

今日もカープは勝ち勝ち勝ち勝ち~

バンザーイ! 
バンザーイ! 
バンザーイ!



 

 

 

恋はいつも真剣勝負

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先日、“フットサルをやろう”と
バイトの大学生が呼び掛けると、
10人ほど集まった。

そして、マネージャーと称して
俺がひそかに恋するアンナも
参加することに!

お昼過ぎ頃、集合場所の
フットサル場に着くと、

「ぺらいっち!」

バルセロナのユニフォームに
着替えたタクマが俺を
手招きして呼んでいる。
いつの間にか呼び方
“ぺらいっち”になってるし。
まぁいいか。
タクマは先日、
俺の恋愛アドバイザーを
自ら買って出てくれた
自称“恋愛マスター”のイケメンだ。

「チャンスっスね」

「なにが?」

「カッコいいところを見せる
 チャンスですよって」

なるほど、一応俺は、
中高サッカー部で経験者(補欠だけど)
ここでは未経験者が大半なので、
アンナにカッコいい姿を
見せられるかもしれない。

「じゃぁ・・・
 まずはホンダ作戦っすね」

「は?」

タクマ曰く、
サッカー日本代表本田圭佑は、
高校時代、敵チームのマネージャーに
一目ぼれし、
“この試合に勝ったら、
付き合ってくれ”と言い、有言実行。
そして、その敵チームだった
女子マネージャーが今の奥さんらしい。

「ぺらいっちも、
 アンナにバシッと言うんすよ」

「いや、スケール違いすぎるし!
 それは真剣勝負の試合だから
 カッコイイんであって、
 こんな遊びのフットサルに、
 真剣さなんて微塵もないよ?」

「ハァ・・・」

タクマは肩をすくめ、
両手のひらを上にあげて
呆れたというような
ジェスチャーをしている。

「だからぺらいっちは、ダメなんスよ。」

「ハァ?」

「恋はいつも真剣勝負っスよ。」

なるほど・・・
ってやっぱりおかしくないか?

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しかし、タクマの
妙に真剣な眼差しに、
またうまく丸め込まれた気がする。
でも・・・このまま
進展しない状況が続くなら、
行動を起こして失敗したほうがいい!
やれることはやってやるぞ!
俺は真剣な眼差しでベンチに
座っているアンナへ
ゆっくり近づいていく。
 
「アンナ、次の試合
 ゴールを決めたら
 俺とデートしてくれ」

「え?いいですよ~」

え?!!軽いっ。
てかいいの?!
思わぬ即答にこちらがビックリする。
冗談だと思ってるのかな。
まぁでも、言ってみるもんだな!

そして試合開始。
周りは初心者が大半と言えど、
何年も運動をしていないブランクはデカく、
中々思うように動けない。
やっと少し動けるようになってきた時には、
スタミナも底をつきそうだ。
時計を見るとまだ5分も経ってない・・・

ハァハァ・・・しんどい。

長年のタバコもたたって、
連続で走ると吐き気がする。

オエッ

これ、ゴールなんてムリかも。

チラッとベンチの方を見ると、
真剣な表情でグラウンドを
見つめるアンナがいる。

・・・いやっ、やるぞ!
 
「ぺらさーん!」

その時、俺の頭上に
フワッとしたロングパスが。
俺はそのボールを胸でトラップ、
そこからノーバウンドでボレーシュート
自分でいうのもなんだが、
華麗なボレーシュートだ。
そして俺の放ったボールは
ゴールに一直線に向かっていく。
いけええー!!!

「甘いっ!!!」

相手キーパーのタクマの
横っ飛びキャッチのスーパーセーブ。

おい!!!

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「ななんでおまえが止めんだよ!」

「あ・・・つい」

タクマは慌ててボールを
ゴールに投げ込むが
そんなオウンゴール
ゴールと言えるのか・・・
結局俺は最後まで
ゴールを決められず・・・。

がっくりと肩を落としている俺に
タクマが言う。

「だから恋は真剣勝負だって
 言ったでしょ」

・・・うるさい!!

 

 

いつもいる

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秋田出身の大学生トミーは、
親が歯医者を開業しており、
お金には、あまり困ってないらしく、
あまりシフトに入っていない。
しかし、何かと口実をつけて
毎日のように店舗にくる。

ある時、休憩所に行くと、
トミーがいるので声をかける。

「あれ?今日出勤?」

「いや、違います。
 シフトを確認しにきたんですよ」

いや、シフトはバイトのLINEで
流しているはずだが・・・。

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そして次の日も、トミーがいる。

「あれ?今日出勤じゃないよね?」

「はい」

「トミーって、いつもいるよね」

「そんなことないですよ!」

「ヒマかよ!」

「いや、違いますよ。
 スマホを昨日店に置き忘れたんで
 取りに来たんです」

そしてその次の日も・・・

「また、おまえか!
 どんだけ店が好きなんだよ!」

「いや、そんなんじゃないですよ。
 今日はたまたま近くまで来たから
 寄ってみたんですよ」

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・・・大学に友達とかいねぇのかな?
あ、でも、この前、
誕生日プレゼントがなんとかって
言ってたから、彼女いるんだよな・・・

「おまえ、彼女とは会ってんの?」

「え?毎日会ってますよ~」

「え?でも、昨日ここにいたじゃん」

「あぁ、彼女は凜ちゃんです。
 ラブライブの」

・・・ラブライブ??

「もしかして・・・二次元の彼女?」

「はい。誕生日に
 プレゼントあげるのは常識ですよ」

 

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まぢかよ・・・・
バッチバチのオタクじゃねーか・・・

そうか、トミー・・・
おまえは、他に行く所がなくて
毎日店にいるんだな・・・

そこへ、大学生のトモコが出勤してくる。

「え?ぺらいちさん、
 今日も出勤ですか?

 なんか、いつもいません?笑」

そう言われれば、俺もいつもいるな・・・
だから、トミーといつも会うのか・・・

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なんか急に寂しくなってきた・・・

「トミー!今日飲みに行くか!」

「え!いいんですかー?
 ゴチでーーすっ!」

えっ、オゴるとは言ってない
・・・けど
まぁ、今日くらい、いいかっ!


 

恋愛マスター

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あ、アンナが来た・・・。

「ぺらいちさん、おはようございます」

「あ・・・、お、おう」

ハァ・・・またやっちゃったよ・・・。

 

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昔から好きな子ができると、
妙に意識しすぎて、
話しかけられなくなってしまう。
逆にあちらから話しかけられても、
緊張して、ぶっきらぼう
接し方しかできないし。

「はぁ~~眠い・・・」

この前、バイトに入ってきたタクマだ。
髪はオレンジで、坂口健太郎
ちょっと似ているイケメン。

「いや~、おれ今日、
 ブクロのラブホから出勤なんスよ~」

「へ~」

いや、聞いてねーし。
タクマは見た目通りチャラく、
いつも自信満々のカッコマンだ。

「元カノとなんスけど。
 あいつ求めすぎ!
結局朝までっすよ?
 もう疲れましたよ~」

「そうなんだ~、そりゃ疲れるね・・・」

いつも聞いてもいないのに
自慢話を始めるし、
正直言ってイケ好かないが・・・
俺もこいつみたいに
自信満々になれたらな・・・。

「ハハ、分かってますよ」

「は?何が?」

「ぺらいちさん、
 アンナのこと
 好きなんじゃないんスか」

「え・・・」

「モロバレっスよ」 

「な、なんで?」

すると、タクマの表情が一変する。

「人の気持ち分からないで、
 人を愛せますか?」


タクマの真剣な表情は、
なんだか不思議な説得力がある。
たぶんイケメンマジックだ。
こういうギャップに
女の子はやられるのかなぁ・・・。 

「おれヘルプしてあげましょうか?
 恋愛に協力者は必須っスよ。」

確かにタクマは、
明らかに俺より経験豊富そうだし、
アンナとも年が近いから気持ちも
わかるかもしれない。
それに俺は、好きな子ができると
周りから攻めるタイプ。
タクマはまた笑顔になり、
真っ白な歯を
剥き出しにしながら笑っている。

「任せなさいって!
 おれ、恋愛マスターっスから!」

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やっぱり不安・・・

そうして半ば強引に、
自称“恋愛マスター”タクマは
俺の恋愛アドバイザーに就任した。


博才がない

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バイトに向かう途中、
駅前の宝くじ売り場の
スピーカーから音が聞こえる。

「今ならキャリーオーバー3億円!!!」

はぁ・・3億円もいらないから、
10万円でもいいから当たらないかな・・・
買いもしないのに、
そんな想像をする。

・・・いやいや、ムリムリ。

そんな甘い考えでどんだけ
お金をドブに捨ててきたか。
パチンコ、競馬、麻雀。
ギャンブルと名のつくものには一通り、
手を出してきた。
しかし、どれも散々な結果。
負けが重なり生活費にまで手を出し、
ついには消費者金融
借金も繰り返した。
信用も無くし、友人も失い、
親も散々泣かせてきた・・・

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以前、地元に帰った時、
たまたま寄った占い師の
おばあちゃんにもこう言われた。

「あんたぁ、ギャンブルはする?
 博才ないからせんほうがええね。
 生まれつき博才がある人は、
 なにやっても勝てるけど、
 あんたぁにはない。損するだけよ」

そう、俺には博才はない。
真面目にコツコツ。
今日もバイト頑張るぞ!
更衣室で着替えていると、
大学生のトミーが話しかけてくる。

「ぺらいちさん、
 今週末の競馬買います?」

トミーは先月、
初めて買った馬券が当たって、
儲けたので調子づいてるらしい。

バカ。・・・それが落とし穴だよ。

俺もビギナーズラックで
調子に乗ったのが
地獄への始まりだった。

「お前も俺と同じ匂いするから
 絶対止めた方がいいって」

俺は一応年上として、トミーを諭す。

「いや、おれ絶対博才ありますわ。
 今回勝ったら何買おうかな~」

「いや、そんなおいしい話が
 転がってるわけないからさ」

「えー?マジで行かないんすか?
 買わないと当たるもんも
 当たらないスよ」

「ムリムリ。損するだけだって」

「でも2番人気以降のオッズが
 10倍っすよ。10倍!!!
 千円が一万円ですよ!」

「いやいや・・・」

「もしかしたら100円が
 100万円になるかも
 しれないんですよ!?」

「・・・」

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数10分後には
トミーと賭ける馬を
真剣に選んでいる俺がいた。