鼻筋シュッ
休憩中、向かいに座っている
女子大生トモコがいつになく見つめてくる。
「なんだよ。ジロジロ見んなよ」
俺は照れを隠すために、ぶっきらぼうに言う。
「ぺらいちさんって」
「なに?」
「鼻筋すごいシュッとしてますよね。」
「・・そうか?」
「すごい羨ましいです」
「そうでもねぇよ」
少し照れた俺を、トモコは真面目な
顔をして見つめてくる。
「顔のパーツパーツは、整ってますよね。
鼻はスッとしてるし、
目もまぁまぁ大きいし・・・」
「そうかぁ?」
まぁ、実際自分でも、鼻筋は通ってる
ほうだと思うけど…。
俺の顔を見つめていたトモコは、
引き続き引いたり近づいたりしながら
色々な角度から眺める。
俺は照れくささから何も言えず、
2人の間に微妙な沈黙が流れる。
突然その沈黙を破るように
トモコが口を開いた。
「でも・・・」
「?」
「ん~、パーツは良いんですけどねぇ~。
うん。
パーツはいいんですよ、パーツは」
首を傾げ、苦笑いしているトモコ。
「・・・・え?」
「なんか、全体で見ると・・・。
う~ん、ちょっと
ザンネンっていうかぁ~」
いきなり地に落とされた俺は、
苦笑いするしかなかった。